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花の香

作者: かねこふみよ

 12月。手帳を新調した。三色ボールペンを新しい手帳に移そうとして、何気なく今年の手帳をパラパラとめくった。

 6月のある日、こういう記述があった。部屋に花の香りがする。思い出した。部屋には芳香剤はないし、なかった。アロマテラピーもしていなかったし、香を焚いたりもしなかった。戸を開けるとふわっとしたのだ、花の香りが。他の部屋ではそんなことはなかった。一回きりなら気のせいでもいいのだろうが、以後二日間自室の戸を開くと花の香りがした。三日目花の香りはなくなった。スマホが鳴った。「ああ、○○だけど、おばあさんが亡くなってね……」。葬儀から帰宅し、数珠を仏壇に戻した時だ。あれ?と思い出した。あのおばあさんはお盆になるとよく花をくれていたことを。虫ならぬ、花の知らせだったのではと、礼服を脱いで、ビールを飲みながら思ったりした。


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