142 顔合わせです!! (4)
しかし機動要塞改を使えないのは痛い。相手の配置が素の身体能力分しか把握出来ないのだ。アビスの右側に自分はおりその更奥のフランク先輩達が居るはずである。自分で作った障害物の所為でみえないが。。。自分の南側から溶岩の結界が始まっている為に安心しても良さそうな気もするが溶岩の外側から移動する音が聞こえるし北側からもする。因みに自分の感知半径20メートルの内側にも姿は見えないのに反応がある。
「援軍が来た様ですよ!」
と気配のするあたりに雷球をばら撒くと
「な?! なんでわかる?」
と護衛1人が姿を現わす。他に2人いたが転移されていったので三発攻撃を食らったんだろう。それよりもリョウコはさっきから遮蔽物の後ろでウロチョロしているが何をしているんだ?魔力が発動しているのは分かるんだが何をしているのかサッパリである。
とそこに初等部の女の子達が5人やってきた。そして
「ディエゴ様!私達はディエゴ様の味方で戦いたいです!」
と言いながら堂々とホグワルト先輩の横を通ってくる。先輩は
「敵前逃亡どころか敵に呼応するとは!!ザイル学院生の誇りはないのか?!」
と叫んだせいで余計にはぁはぁ言っている。先輩。。。自分も一応ザイル学院生です。と言おうか迷ったが側まで来た彼女達に
「そうなの?アビスの所に行く?」
と聞くと2人がアビスの所に行きたいと言い、3人はここで自分の手助けをするとの事であった。ホグワルト先輩は先程生き残った1人の護衛に連れられて後退していく。感知内には新たに10名ほど居るが仕掛けてくる感じではない。さてどうしようかな?と思った時に少し離れた地面から水蒸気が凄い勢いで溢れ出す。何事?と観ると空気が歪んでいる。
その先を見るとリョウコが一生懸命直径5メートル程の円形の空気の固まりを操ろうとしていた。空気でレンズ見たいのを作って太陽光を収束させたのか?!こいつとんでもねぇ!!と慌ててリョウコの魔法に干渉する。様子見は終わりだ。取り敢えず檻にリョウコを入れる為に攻撃しようとするとアビス達の方でいきなり小さな炎が一個打ち上がる。
すると同級生の1人が “ 私もアレできますよー!!” と炎の魔法を一発上に打ち上げる。そして3人でキャッキャ言ってる。・・・いまいちこの年頃の女の子の事は分からん。。。いや、、、女性の事は!と言い直しておこう。
取り敢えずリョウコを仕留めるか!!とリョウコを見た瞬間にフランク先輩達が居るあたりから小さい炎の魔法が打ち上がる。またか!と思った瞬間に同級生3人が自分の両腕に1人づつと腰に抱きついてきた。
「ディエゴ様ごめんね!でも役得だったかも!!」
と3人が自分に謝ってくる。ちくしょー!!!埋伏かよー!!!と思った瞬間にワラワラと護衛達や学院生達が自分めがけて群がってくる。手にはちゃんと木刀を持ってらっしゃる。
「魔王ルートエンディング選んだのはそっちだからな!!」
と叫んだ俺は霧化して彼女達の拘束から抜け出すとフライで空中から雷球と火球を全員にばら撒いたのだった。
静かになった運動場でアリアが
「ディー君。バンパイヤはもっと肉体的に相手を蹂躙するのが得意なんだよ!今度練習しようね!」
と俺を教え諭しタニヤとティファニーは
「その練習の時にはお姉ちゃん達は応援してあげるからね!」
と不参加を宣言しアビスが
「一回だけブレス撃ってもいいー??」
とザイル学院の上空に向かってブレスを放っていた。プラズマっぽい見た目の綺麗なブレスであった。
それらの映像をハイライトのした物をフランク先輩、ホグワルト先輩、護衛やほかの学院生達に見せながら
「戦術はこの様に非常に大事です。でも個人の武も大事なんです」
と丸く収めようとしたした自分に学院長が
「ディエゴ様は取り敢えず運動場を直していただけますかな?」
と沙汰を言い渡したのであった。。。ラキアは次は勝つわよー!!とみんなに声をかけていた。