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138 戦術研究会

「ディエゴはもうちょっとレディ(自分)に対する礼儀を覚えた方が良いと思うのよ!だから今日は側から離れない様にね」


と自分をジロジロ見ながらラキアがのたまう。それに対して自分は彼女の手をそっと掴むと


「ではこのディエゴが今日は案内させて頂きます!」


と宣言する。すると満足気な顔にラキアはなる。所詮10歳よのぉ!!とか思いながら先ずは戦術研究会にいく。自分は武術の心得なんて無いので戦闘技術研鑽会も学んだ方が良い様な気がするのだがアリア達が学院が始まったら教えてくれると言っていたので先ずは戦術だ!


今回の聖国の件で取り敢えず先手をうてたがどうもシックリ来ないのだ。経験や知識による決定でなかった為に感じているのだろうがもうちょっと自信をつけたい。戦闘技術はアリア達が優れているが先日の話で母上もアリアも戦術とか戦略には疎い事が判明している。あ、そうだ!リョウコにも機動要塞改(サードアイ)の護衛をつけないとな!!とサクッと一機を彼女に直庵させる。


戦術研究会のブースに行くまでブースの先輩方は自分の目的が彼らのブースである事を信じられない様な顔をしていた。特に女性の先輩はコソコソ自分を見ながら話をしている。ブースに辿り着き


「すいません。戦術研究会の説明を聞きたいのですがお願いします」


とラキアを横に連れて声をかける。女の先輩達がお互いに押し合って誰が相手するか牽制しあっている。その時に1人の眼鏡をかけた男の先輩がスッと前に出て


「ようこそ!!戦術研究会に興味を持ってくれて嬉しいよ。取り敢えずそこに座って貰える?自分は会長をしているフランクだよ」


と椅子を指す。男は何枚か紙を取り出すとそれを座った自分とラキアの前に広げていく。紙には地形が書いてありもう一枚の紙には戦力が載っている。声をかけるタイミングを失った女先輩達はヒソヒソと話をしていたがこれから始まる事に興味があるようでフランク会長の後ろに集まってくる。


○○騎士団 分隊8人 状態 戦闘可

所持している加護(スキル) : 範囲攻撃1名

支援 3名

回復 2名

戦闘 3名


一般兵 600名 状態 戦闘可

兵站係 50名

戦闘 315名

伝令 35名

予備戦力 200名


敵勢力 ゴブリン 凡そ500匹 上位種 凡そ30匹


と書かれた紙を見せられる。眼鏡先輩は自分に騎士団と一般兵が個別に記載された駒を渡してくる。


「どう言った事をしているかちょっと実演しようと思うんだけどディエゴ様の持つ兵力と自分が操るゴブリンで戦闘をしてみよう!」


成る程!これは。。。昔ハマったテーブルトークに似ているかも知れない。ただ自軍もゴブリンも開示されている情報が最低限すぎる。


「フランク先輩、面白そうですね。始める前にもう少し情報が欲しいです。先ずは騎士団ですが範囲攻撃ができる騎士の加護(スキル)ですが何匹のゴブリンを同時に攻撃出来るのですか?あと使用回数も知りたいです。回復と支援の騎士達も同じ事が知りたいです。あと戦闘系の騎士はどの程度の力を持つのでしょうか?騎士であるからには戦闘系の加護(スキル)を持たずともゴブリンよりは強いと思いますがそこも具体的にお願いします。後は一般兵の強さもゴブリンと上位種のゴブリンと比較して教えて欲しいです。あと兵站部隊が居るようですが何日分の食料があるのでしょうか?あと一番お聞きしたいのはこの戦闘の目的です。ゴブリンの殲滅、足止め、防衛、追撃などで兵の運用を変える必要があると思うのです」


と聞いた自分をフランク先輩は少し口を閉じたまま自分を見つめていたが眼鏡をクイッとすると


「実は今の会話でテストは終わったんだけど面白いから続けようか。戦闘の1番の目的は騎士団と兵達の後方に広がる大規模な村と畑の防衛だよ。戦闘の成り行き次第だけど1番の目的が確実に達成出来るならゴブリンの殲滅も目的に入れてもいいよ。


次に騎士の範囲攻撃だけど使えるのは一回だけ。範囲は200メートル四方だけど味方に攻撃は行かないから安心しても良いよーーーーー」


説明を聞いた後お互いに駒を動かしながら仮想戦闘を続けていく。戦闘の結果要素にはサイコロを使いますますテーブルトーク見たいと思いながら楽しんだ。ふと周りを見るとかなりの初等部生が自分とフランク先輩のやり取りを眺めていた。他のブースの先輩方も混じっている。最終的にこのゲームは死者10名負傷者150名を出して自分がゴブリン達を殲滅する事でケリはついた。


「ディエゴ様は始めてには見えないね。是非うちの会に入ってもらいたいよ。もちろん他の会を見てから決めてくれれば良いよ」


と言ったフランク先輩に1人の先輩が


「紙の上の勝負なんか意味ないぞ!やはり実戦と実践で覚えるのが一番だ!!」


と声を上げフランク先輩は困った顔をしたのであった。


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