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聖国はとある事で非常に困っていた。聖都ヒューメインの真北に位置する ‘ 第5衛星都市サファル ’ の北側に巨大な岩塩地帯を発見しその功績でサファルを管理地とするサイモン枢機卿が総大司教になったのはまだ皆の記憶にも残る5年前の事。


サイモンの跡を継いだエナブル枢機卿が岩塩地帯のその更に奥に行った北側に巨大な森林地帯を発見する。そしてそこには亜人族達の集落や村が沢山あったのだ。それが2年前の事である。当初は新たな奴隷を見つけたと大喜びで遠出をしている者を攫ったり小さな村なら村ごとさらっていった。1人捕まえれば奴隷首輪(イビル・チョーカー)の効果で情報も引き出し放題である。


大森林の中にいるエルフ達も奴隷にしようと画策している時に岩塩を採掘していた採掘場にポッカリと空洞が空いたのである。当初誰も気にせず作業は続けられていたが夜な夜な採掘の労働に従事している奴隷達が消えていくのだ。そしてとうとう指揮を執る聖国の人間も行方不明になる。


その時にエナブル枢機卿はやっと原因究明の指示をだしたのであるが、原因が分かったのは一年前であった。採掘場に繋がった空洞はどうやらゴブリンの巣窟であったらしい。しかも通常のゴブリンと違い腕が発達しており動きも俊敏であった。しかも通常のゴブリンと違い死を恐れずに向かってくる。直ぐに逃げ出す通常のゴブリンとは明らかに違う亜種である。


貴重な岩塩は既に結構な量は掘り出してあるが一回緩和された塩の使用に聖国の国民は慣れてしまった。また以前の様な節約は無理である。そこでゴブリン討伐隊を編成しようとしていた折にどうせならゴブリンと大森林の亜人供を戦わせれば良いと言う話になる。そしてゴブリンの巣穴から大森林まで奴隷の撒き餌を置き無事にゴブリンを大森林に誘導する事に成功したのである。


この判断は聖国にとって大正解であった。彼らは殺したゴブリンの死体を少し調べたが解剖まではしなかったのである。まぁ解剖と言う認識が無いのであるが。。。ゴブリンの脊髄と脳に細かい触手の様なものを突き刺した生き物が死体から必死に離れようとしているのを誰も気づかなかった。打ち捨てられた死体の眼孔から這い出たそれはモゾモゾと土の中に消えていったのである。


機動要塞改(サードアイ)が想定していない地中奥深くに奴隷首輪(イビル・チョーカー)を付けられたものがまだ居たのである。。。

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