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128 ディエゴ悩む。

ダンジョンでしばし考え込む。心はすでに色々な組み合わせを試して新しいゴーレム解放をしたいと言っているが今自分に必要なのは作業ロボットのような物だ。兎に角21万以上を食わせる場所を作らなければならない。それも農地だけではダメなのだ。狩猟をメインにすると絶滅するかもしれない獲物、種が絶対に出てくる為だ。地球でも美味しいから!と言った理由で情報伝達が未発達な時代に狩り尽くされた種は多いのだ。


場所は作れる。恐らくだが植物系の操作もハイ・エルフの一族にお願いすれば解決出来る。蓄養と同じぐらい大変な仕事なのだ。しかし歌で時間を短縮出来るのは凄い強みで解決する方法もなんとかなる。だが、動物性の栄養摂取の為の蓄養は現在どうにもならないし、見通しも立たない状況である。1箇所に大都市を作ればその周辺の動物は食料なり害獣として駆逐される。狩猟から蓄養への移動は大都市を維持する為に絶対に必要不可欠なのだ。


だけどそこまで手助けして良いものなのだろうか。。。


自分が助ける予定の奴隷達、彼らは自立出来るのだろうか?元料理長としての経験を持つ前世の自分が警告を発する。


‘ 助けてあげなさい。だけれども甘やかすな!‘


初めて副料理長になった時に教わった助言である。自分なりにその意味が分かるまで前世では数年を要した。最初は ’ 助けろ?だけど甘やかすな? ‘と言う二律背反に見える助言に大層混乱したものだ。


自分なりの答えを言うと自分の経験から見て頑張っていたり無理をしている部下を助ける。同じく自分の経験から仕事をしていると勘違いをしていたり、装っている者を甘やかすな!と言う結論に達したが。。。


それでもこの新しい世界で奴隷になり苦しんでいる者達への接し方をどうするべきか悩む。前世の時代に席巻していた人権と言う価値観の為である。


人権と言う言葉が俺を苦しめる。人権の思想自体は美しいものだ。人として生まれたからには最低限の生き方を保証されるべき。それを出来ない国家は先進国ではないと言った風潮であった。しかし確かな弊害もあった。弱者を装い義務を果たすこと無く権利だけ享受したりした者がニュースになっていたり、それを理由に内政不干渉の国際規律を無視して他国に口出しできるほどであった。そして各国のメディアはさも大昔からある大事な人類の根幹であるように報じていた。


アリアが以前、自分に聞いてきた


“なんでその21万人の食事を助けてあげたいと思ったの?直ぐにも死にそうとかまだ赤ん坊とか歳で働けないから?”


と言う言葉は地球に新しく出来た人権と言う人特定の生物に対する権利、いや思想でもあり、そして他国を誹謗する為のレッテル貼に利用されるプロバガンダと分かりつつも特に否定されるべき事案ではないと思わざる得ない自分がいた頃の価値観と相反対するものであった。まぁ動物愛護法とかも出来ていたが人権に比べるとあってないようなものであったと記憶している。


1人になった今自分はそれに気づく。それを出来る能力があるから!とアリア達には伝えたが彼らに全てをお膳立てした後どうなるか。。。まるで分からないのだ。助けてもらうのが当たり前と思われる前に支援を打ち切り自立を促すのが健全と自分の感覚、経験は訴えている。だが21万人以上を助けてその見極めは経験した事がないのだ。。。この世界の一般的な考え方と自分が前世から引き継いだ根幹的な感覚や判断する為の知識、法、等がちがいすぎるのだ。

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