表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/157

114 奴隷解放強行 (2)

「解放と申されますと彼らを殺すという事でしょうか?」


自分の発言を聞いたイルアムは即座に核心をついた質問を再びしてくる。相変わらず伏し目がちに控える彼に


「いや。言葉通り生きたまま奴隷首輪(イビル・チョーカー)より解放せよとの事である」


「解放された後、そのもの達の処遇はいかがされるおつもりでしょうか?」


と追加で質問が来る。いくら自国領と言えども王族の者に臆する事なく発言するのはこの世界では命がげである。‘ えぇぃ! 貴様のような者が知ったことではないわ!!’ とか言って切り捨てられる可能性もあるのだ。


「我が女王陛下が治める城塞都市アームで保護するつもりだが?」


と追加の質問に返事をする。皇居の室内にいるイルアラエ姫が椅子に座ったり立ったりしているのが見える。自分の返事を聞いたイルアムは一瞬黙りこくると伏し目がちだった目が一瞬自分とアリアの顔を盗み見る。そして


「ここ城塞都市アムリは国王アザハーン様より命を受けたイアムト様が治める地です。哀れな奴隷達を生かしたまま首輪から解除するのは私が見届け人としてご協力できます。。。解放された奴隷達の保護もシルビア陛下の命なのでしょうか?いかに我等が王国に大恩ある同盟国相手とは言え奴隷達の引き渡しは私の一存では決められません」


と伏し目がちだった顔が少しあげられる。


「いや。解放した後の指示は受けておらぬが好きにして良いとのお話であったのでな。どうせならアームに連れ帰ろうと思っただけの話だ。では解放の方をさせて頂く」


と上空に展開しているサードアイに首輪のチェックをさせる。ここも一緒だな。。。いつも通りレーザーを打ち込むと建物上空5メートルから空に向かって突き抜けたレーザーを転移させる。相変わらず綺麗だ。次はアポーツの魔法で奴隷達から外れた首輪を全部自分の魔法収納に取り込む。装着されていない首輪も3万個程あったのでそれもだ。


「イルアム殿、見届け感謝する。あと、未使用の首輪もこちらで回収させて頂いた。不都合はなかろう?」


と自分の耳には僅かに聞こえていた呻き声が減ってきたのを聴きながら話しかけたイルアムはキョトンとしている。まぁ見えていないからな。


機動要塞改(サードアイ)よ。この城塞都市アムリにいる全ての者達に完全回復(フルリカバリー)完全治癒(パーフェクトヒール)をキャストせよ」


とイルアムの右手を見ながら指示をだす。理由は分からないが彼の右手小指と薬指は欠損していたのだ。一瞬で生えた彼の指を見て満足する。アリアの方を向き


「解放した奴隷達の世話も動けるようになるまでは金がかかると思うが。。。」


と言うとアリアがスッと城塞都市アームの紋章が刻印された皮袋を取り出す。これは自分の魔法収納に入っていたものだ。自分が手渡しするのは良くないらしい。面倒だが仕方がないのである。アリアがイルアムに


「イルアム殿、こちらにアーム金貨5000枚有りますわ。この皮袋は小さいですが魔法収納の機能も付いていますので解放された奴隷達の為にお使いくださいませ」


と皮袋を手渡しながら伝える。


「同盟国が強くあるのは我が城塞都市アームにとっても良いことであると思う。イルアム殿が必要と思われたなら奴隷達以外にも使用すると良い。では機会があればまた会おう」


と追加で伝えると今度は王都の北側にある城塞都市に影移動をしたのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ