109 会議
扉から出ると後ろに控えていたタニヤとティファニーも続いて出てくる。アリアとアビスは扉を開けた後は扉を閉めそこに待機していた。大部屋から出て扉が閉まると室内から声が漏れてくる。
「初めてバンパイア見たー!」
「あの角が生えてる人って竜らしいよ。。。そう見えないけど!」
「あの男の子の後ろに控えていた2人はハイ・エルフなんだって!」
などなど聞こえてくる。流石に未来の国の重要職に着く予定の子供達にはこちらの情報が出回っているみたいだ。特に不都合も無いしそのままアリアに
「今から皇居に移動するから皆メイド姿でお願い」
と頼むと全員ミニスカメイドの姿になる。武装はメイド服のエプロンに合わせてミスリルナイフが内太腿にある。他にも仕込んであるらしいが場所は教えてもらえなかった。きっと胸の谷間とかかな?昔の女性が使っていたカンザシとかは武器としても使えたらしいからカンザシも教えてあげようとふと思う。自分は学院のマントだけ魔法収納にしまいそのままの格好でいく。
影移動で皇居の前に移動すると門にいる騎士達がビクッと反応するがすぐに自分達と気づき会釈をしてくる。アリアが彼らに
「シルビア陛下より皇居にて会議が行われると伝えられ参上いたしましたわ」
と伝えると
「はい。承知しております。会議まで少し猶予がございますのでご案内する部屋でお寛ぎください」
と1人だけミスリル製の剣を持つ騎士が自分達に向かい頭を下げると先導を務めてくれるようだ。2人が話をする間自分はただ立っていただけだがこれが結構難しい。威厳は保ちしかし威圧的で無いような表情をして立つ姿も自然体でしかし気を引き締めているのが分かるような感じでいないといけないのだ。。。面倒くさい。。。
門から結構な距離、10分程歩いた先にその部屋はあった。案内をしてくれた騎士は失礼しますと伝えると門の方に帰っていった。豪華な家具が備え付けられておりメイドさんが2人いた。1人は普人族だがもう1人は獅子族だろうか?大きい丸い耳が見える。尻尾も長いスカートに隠れて見えないがきっとあるだろう。。。凄く見たいし触りたいがここはアームではないのだ。グッと我慢する。
座った自分の後ろにアリア達は控えるようだ。メイド2人にお茶を貰いながら今から始まる会議でどう主導権を取りに行くか考えるがサッパリである。ホテルの会議とかはよく出ていたが流石に国同士の話し合いとはレベルが違うだろう。事前に聖国、帝国、王都内の奴隷首輪の把握をしているだけでもマシなはずだ。
10分程経っただろうか?1人の執事が来ると会議の準備が出来ましたのでおいでくださいと呼びにくる。簡単な昼食を兼ねながらの会議と教えられ、連れて行ける側仕えはお一人でお願い致しますと頼まれる。アリアを見て
「アリアお願い。他の3人はユックリしててね」
とアリアと2人で執事についていったのである。