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107 歌の効果

精霊森林の左上側の海に一番近い山脈を移動先に選ぶ。山頂に近いが少し平らな部分がある場所だ。周りには特に危険な生き物はいない。厳密に言うと魔物や魔獣や肉食動物みたいなのがウロウロが居るが本能で分かるのだ。こいつらは敵になり得ないと。


自分の影移動でみんな移動する。タニヤとティファニーに


「歌っても大丈夫だよー!」


と伝えると


「ここにはどれくらい居れるの?」


とティファニーから質問がくる。学院の顔合わせは遅れても良いからと考えて


「30分ぐらいかな?」


と返事をするとティファニーが


「じゃあ歌えるのは10分ぐらいなの!タニヤ!!急ぐの!!みんなはそこから動かないで欲しいの!」


とタニヤを急かす。うん?と思って見ていると自分たちを中心として半径10メートルの円の形で周りを魔法で伐採し始める。自然を伐採するとか自分の知ってるエルフちゃん達の行動とは違いすぎる。。。一体何が始まるんだ?と ‘ 何か手伝うよ? ’ と2人に伝えると


「じゃあディー!この円内の土中になんでも良いから魔法を打ち込んで植物の種とか根っこが完全に死ぬようにして欲しいの。深さは1メートルでお願いなの!」


と珍しくティファニーが主導をとる。意味が良く分からないけど電子レンジみたいに分子とか擦り合わせて熱をその範囲で起こせば死滅するだろう。と上空に自分達と一緒に転移してきた機動要塞改(サードアイ)の一機に指示をだす。最初モヤモヤと地面から出ていた蒸気がいきなり凄まじい勢いになり皆覆われる。。。しくじった。


「みんなごめん!」


と言うとみんな気持ちよさそうにしていた。確かに熱い蒸気なのだが吹いている風と相まってちょうどいい具合になったらしい。姫達に不満は無いらしい。今のうちだ!と続けると蒸気も少しづつになっていく。流石にこれほど高温で水分も減った状態で生き残る植物はこの世界にもないと信じる。かれこれ5分程かかったが。


「ティファニーお姉ちゃん!終わったよー」


と伝えると本当に嬉しそうにティファニーとタニヤが顔を見合わせて


「その作業が一番大変なの(なのよ!) 流石ディー!」


とお褒めの言葉を頂く。地面をあっためている間に円内の植物は綺麗に消え去り円外の植物や樹々もジョウゴの形に円を中心に切り取られていた。アリアとアビスは円の中に大きめの石を置くと浄化をかけてそこに座っている。


「タニヤ!!20分は絶対歌えそうじゃ無い?何歌う??」


とハイテンションのティファニーがタニヤに話しかけると


「私、エターナリア様にお会いしてからエターナリア様の歌を歌ってないから絶対歌いたいわ。もう一ついけるけどもう一つはティファニー姉様に選んで欲しいわ!」


と頬を興奮に染めたタニヤが返事をする。


「そう。。。じゃあエターナリア様の歌の後は満月と精霊の歌でいい?今日はそう言う気分なの!!じゃあエターナリア様の歌はタニヤがメインでお願いなの!夕日と精霊の歌は私がメインをするの!」


嬉しそうに二曲目を選んだタニヤとティファニーを見て俺はほのぼのとしていた。あぁやっぱり歌いたい歌とか気分で歌いたい曲ってこの世界にもあるんだなー!!と。。。


2人がスキップしながら円の中心にやってくる。上位悪魔(アークデーモン)の装備を着た2人が楽しそうにしているのは凄く絵になる!!円の中心から少し離れた所に石を置いて座っているアリアとアビスの石をくっつけて ‘ 3人で2人の歌を聴こう!’ と言うと2人はイソイソと三個目の石を間に置いて自分の場所を作ってくれた。


楽器とか無いけどどうするのかなぁ?と思っていたがアカペラでいくようだ。2人は少し首を揺すりながらリズムを合わせている。機動要塞改(サードアイ)には2人の歌の効果を調べるように指示を出してあるので待っていると


「えーいえんのー時をー♩みーまもるー・・・」


とタニヤが歌い始める。おぉーすっごく上手だ!!!日本に居たらアイドルって言うか歌手になれるだろう。と思った自分の目の前で周りの樹々や背の低かった野草も成長を始める。タニヤの歌にティファニーも加わると更に勢いは増す。機動要塞改(サードアイ)で様子を見ると声が届く範囲に影響が出るようだ。魔力的な物は感知出来ない。


機動要塞改(サードアイ)で録音した物を効果が出ていない場所に指向性を持たせて流してみるとなんの効果もない。。。一体どう言うことなのか?まぁいいや。録音したものでも効果があればすっごく楽出来たのだが。しかしこの成長スピードを見ると種から実が成る大きさまで一曲で十分育つだろう。今度タニヤとティファニーには日本の音楽聴かせてみるか!と思いながら2人の歌を愉しんだのだった。


ちなみに二曲目が終わった頃には精霊森林程では無いが10メートル以上に育った樹々に周りを囲まれて作った安全地帯も呑み込まれていた。歌い終わった2人はシルフとかに頼んで声が周りに届かないようにしたけどお願いしないと勝手にシルフ達が歌を周りに拡散させて相当な範囲がこのようになるとの事であった。ハイ・エルフの歌で街とか滅ぼせるな。。。彼らが精霊森林から出てこない理由が少しわかった気がする。歌い終わって満足そうな2人を見ながらアリアとアビスが


「僕も歌ったらゴーストとか寄ってくるよ!」


「私が叫んだらワイバーンとかが来るよー歌でも来るようにしつけ直そうかなー。他の生き物は逃げちゃうけどねー」


と言って歌いだしたり叫ぼうとし始めたので ‘ 学院に行くよー ’ と止めたのである。








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