106 ハイ・エルフの種族能力
「父上から軽く教えてもらったんだけど詳しくは教えてくれなかったんだ」
と二人を見つめながら返事をする。視界の端ではアリアとアビスがガッチリ組み合っている。ほぼ同じ力なのか。。。アビスの目は爬虫類っぽいままだ。アリアの目も紅い。。。取り敢えず力が拮抗してるなら問題ないだろう。タニヤとティファニーに
「なんかもうちょっと大人になったら教えてくれるって話だったよ」
と伝えると二人は顔を見合わせて、
「ディー君はたまに歌いたくなったりしないの?」
とティファニーが聞いてくる。歌かー。前世で散々カラオケはしたから好きだけど衝動が起こるほどではないな。。
「特にならないけど?」
と返事すると
「あのね。私達は大人になる少し前ぐらいから無性に歌いたくなるわ。男も女も関係なしにだわ。そしてね。。。歌うと森が大きくなるわ」
と今度はタニヤが話し始める。お!アビスが尻尾でアリアを締め上げた。。。スカートがめくれてエロいな。タニヤとティファニーの話に集中したいのに二人のじゃれあいに気が向いてしまう。
「アリアお姉ちゃん、アビスお姉ちゃん。。。ちょっとお話してるから遊ぶなら後でみんなで遊ぼうよ!」
と言うとタニヤとティファニーがすっごい慌てた感じで
「「あぁいう遊びはお姉ちゃん達はいらないの(要らないわ)」」
と返事をしてくる。3人で2人を見ていると2人とも渋々と言った感じでお互いの手を離す。取り敢えず尻尾でスカートが捲れたアリアと自分の尻尾でスカートが捲れたアビスの姿を記憶しておく。宝物がまた増えて嬉しい!
またみんなで座り直して今度はサンドイッチを出す。会議に行く前に学院に少しだけでも顔を出しておきたい。今日は顔合わせの日なのだ。みんなで食べながら
「歌うと森が大きくなるってどういう意味なの?」
と聞くと2人は溜息をつきながら
「そのままの意味なの。周りの植物がグングン育って路とか全部なくなるの」
と2人で ‘ 思いっきり歌ってみたいよね!! ’ とか言ってる。ほぅ。。。実際見て見ないと分からないけど農地を作った時に役に立つんじゃなかろうか?
「ちょっとみんなでアームの外にいこー。そしてそこで歌ってもらえる?」
と言うとタニヤとティファニーは首をブンブン横に振りながら
「駄目なの。アームの街が森になっちゃうの!!」
と恐ろしい返事がくる。歌声が関係しているのか魔力的な物なのか確認したほうがいいのか。
「じゃあ人のいない場所は機動要塞改でわかってるからそこならどう?」
と聞くと2人ともすっごく嬉しそうにうなづいてくれた。
「嬉しい!!歌う順番が来る前に歌えるなんてラッキーだわ!!」
と言ったタニヤの言葉の意味が分かるのは影移動で誰も居ない山脈にみんなで移動した後であった。