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101 ダンジョンコアとアビス

奴隷紋の戦いを勝者として終えたシルビアはその戦いの折に4人のハイ・エルフ達が結界を張った場所に300年ほど居続けた。勝利は得たが奴隷紋の紋様を付けられたものは全て死にシルビアと共に戦った者達の生き残りも多くは無かった。が、ハイ・エルフ達が身を変え作った結界はエルフ族や精霊族に力を与えるだけでなく非常に豊かな森を作り出したのだ。300年が経ち生き残りの子孫達が村や集落をつくりだすとシルビアは他の地に再び赴くことを決意したのである。いつしか ‘ 鎮魂の森 ’ と呼ばれるようになった場所を離れ各地の確認に赴いたシルビアが観るのは奴隷紋の戦いの為に結ばれた誓約を忘れ去った定命の者達であった。


各地を転々と移動しながら誓約について再び交渉をしていたシルビアの成果は芳しくなくそれでも彼女は1人で頑張っていた。移動は影移動で行う為あまり労は無かったがあった筈の村や街が消え去っている事も珍しくは無い。そんな時には近隣の場所を再び探して回ると言う作業は時間がかかるものであったのだ。また女一人で行動するシルビアを狙い、逆に壊滅の憂き目にあう村もあった程である。


1300年ほど眷属を20名つくり大陸各地をを周っていたシルビアにとって唯一の救いは竜族やエルフ等の存在であった。彼女達は少なくとも誓約の事を覚えておりシルビアの事を歓迎してくれたのである。まだ希望はあると久し振りに戻った鎮魂の森は様変わりをしていた。エルフ達は結界の奥深くに移住をし、各種族に別れた村々が森の外周部に散るように存在し森の恵みを巡って争っていたのである。怒り荒れたシルビアであるがかつての仲間が散った場所で彼らの子孫を殺す事は出来ずに放浪の旅に再び出たのである。


放浪をしながらシルビアは自分の居場所を探し続けていたが川や湖などの住みやすい場所には既に街や小さな国があり奪ってまで居場所を作る気にならない彼女はフラフラとしていたが定命であるが為永遠の命に憧れた眷属達が死を望み始めたのである。仕方なく眷属化を解除し一人を除く全員を失った後、シルビアは己の肉と血を使いアリアを生み出したのである。


ただ一人残った眷属 ‘ フローラ ’ とアリアの三人で旅を続けていたが海に辿りついたある日フローラは海の向こうに何があるか見てみたいと言い出す。シルビアの説得にも応じない彼女にシルビアは解除した眷属達の分の力も分け与えフローラを見送ったのである。


二人になった彼女達は安住の地を求めて旅を続けていた。そんな折に彼女達はアビスと出会うのである。アビスも親元から離れ自分の住処を探していた。ちょうどお腹が減り美味しそうな二人を見かけて襲ってみたのだが逆に返り討ちにあったアビスは二人に恭順する事で命を拾う。そして二人に付き従い旅に加わったのである。


3000年ほど前に何も無い荒野を旅しているとアビスが目敏く光り輝く大きな宝玉を見つける。竜族の本能で直ぐに確保に向かうアビスに


「アビス!!それに触っては駄目よ!それは宝玉で無くてダンジョンコアーーーー」


といったシルビアの声も虚しくアビスはダンジョンマスターとしてダンジョンに囚われたのである。一応アビスの言い分としては今までずっと光物を集めたかったのに旅で少ししか集められなかった為に本能に逆らえなかったよーと言う話であった。



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