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ふたごの見分け方。

 

 ある日、とある夫婦のもとに可愛い双子が生まれました。

 それは新年が明けてすぐのとても寒い日のことでした。外には雪が降り積もり、幻想的な銀色世界。空からは雪にまじって雪の結晶がチラホラと降ってきていました。


「ねえ、あなた。雪の結晶には二つとして同じものがないって本当なのかしら?」


「あぁ、本当だよ。同じように見えても違いがあるんだって。人間もそうだよ」


「そうなのかしら?この二人は本当にそっくりだけど」


 二人は瓜二つにそっくりで、男の子は『アオイ』、女の子は『アカネ』と名付けられました。


 両親は二人を同じ服を着せ、同じ靴をはかせ、同じように育てました。

 すると、二人は同じように起きて、同じように食事をし、同じように遊ぶようになりました。


 すべて同じように同じようにと育ててきたせいか、自我が芽生え、物心つく年頃になっても、二人は一挙一動をそろえて鏡のように過ごします。

 すでに両親でさえも二人を見分けることができません。



 二人はまた、両親に平等さをしつこく追求します。


 おもちゃは一人一つないと納得しませんし、会話の量や頭を撫でる回数ですらも数えて、同じではないと文句を言うほどです。



 いずれはアカネは女の子らしく、アオイは男らしくなるだろうと気軽に考えていた両親は 歳を重ねても変わらない二人の様子に不安を覚えました。


「あんまりそっくりだからと面白がって、二人をなんでも一緒にしてしまったせいだな…」


「一人一人のことををちゃんと見てあげなかったせいね…」


 後悔した二人は考えます。


「「どうすれば二人は個性を持つのだろう?」」



 考え抜いた末にたどり着いたのは、『二人を別々にして育てる』という作戦でした。



 祖父と祖母にアカネを預け、アオイはこのまま両親が育てることになりました。



 これで二人はお互いを気にせず成長することができ、学園に入学する十五歳になるまでに個性を持つことができるはずです。



 *


 アカネだけを祖父母のもとへやると聞いた二人は泣いて嫌がり、一緒がいいと言いました。幼い二人を引き離すのが不憫に思えた両親は一週間に一度だけ二人が会うことを許しました。


「ねえアオイ!アカネたち、そっくりなままじゃいけないんだねっ…!」


「…そうみたいだね、アカネ…!…だけどアオイたちは二人で一つなんだ!」


 その日から両親はアオイには青い服を、アカネには赤い服を好んで着せはじめました。


「これはいいねっ!」

「アカネは赤がすきだし、青はアオイににあってるっ!」

 二人にも好評です。



 二人の祖父母は隣町に住んでいて、家とは少し距離があります。祖父母は裕福でしたため、使用人の運転する車に乗ってやってきました。


「アカネちゃん。おばあちゃんとおじいちゃんだよー。今日から一緒に住もうねー」


 アカネは優しい祖父母が大好きだったのでにっこり笑いました。


「アカネ、おじいちゃんとおばあちゃんすき!」


 赤い服を着たアカネは祖父母と共に車に乗って、家をあとにしました。



 残されたアオイは両親に頼みます。


「ねえ、アオイに剣を教えてよ!アカネをおどろかせるくらいつよくなるんだ!」


 両親はそれを聞いて、なんだか嬉しくなって顔を見合わせました。



 もちろんちょうどその頃、アカネは魔法を教えてもらえるように祖父母に頼んでいるのでした。





 *


 それから十年後…。

 二人は十五歳になり、学園に入学することになりました。


 アオイは剣技において並ぶものがないほどの実力を発揮し、アカネは歴史にないほどの魔法の才を見せ、二人は学園のツートップとなるのでした。



読んでくださった方、ありがとうございます!


つまり、見分けられないのなら離してしまえーという訳です。

ひどいとは思いますが、一週間に一度は会えるという……。

二人に甘い両親です。(笑)


誤字脱字やココ文章おかしくね?という点を発見された方、指摘して頂けると助かります。

感想も頂けると作者が泣いて喜びます。


追伸:『ふたごコンプレックス』は実在しません。

イメージはシスターコンプレックスとブラザーコンプレックスが混ざった感じです。


※11月28日、ふたりのセリフを一部変更致しました!


見分けがつかないと書いているのに、「わたし」「ぼく」と書いていて、「あれ?これ個性でてるじゃん」と思ったので!笑笑


子供って自分のこと名前で呼びますよね!だから、書き換えちゃいました!!


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