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 雷状の何かは斧の刃部分だった。

 その雷の斧は、曲線を描いて二人の男を瞬時に仕留める。

 「うっ!」「がっ!」

 二人の男が倒れたことに気付いた敷地内の裁司者達は、それぞれ、どうしたんだ? 何かあったのか? と門前に近付いてくる。


 フィアは、近付いてくる敵の裁司者目掛けて、再度裁きの力を使う。

 雷の斧が迸り、さらに二人仕留める。

 庭にいる敵は、残り三人だ。


 「あそこに隠れている奴がいるぞ!」

 一人の男が、フィアの潜んでいる(やぶ)を指差して叫んだ。


 (仕方ないか······)

 フィアは(やぶ)から出て姿を現す。

 「こんなことをするからには、覚悟は出来てるんだろうな!?」

 屈強そうな一人の男が、フィア目掛け駆けていく。




 ローシェは豪邸の裏手にいた。

 表の方で、どんぱちが始まったのを耳にする。

 (始まったみたいね)

 敵の裁司者達は、表門の叫び声を聞いて(いぶか)しがる。

 「何か騒がしいな」「もしかして、何かあったんじゃないか?」

 すると、裏手の敵は二人を残して表門に行ってしまう。


 ローシェは、「顕現せよ······」と右手にエストックを出現させる。

 剣の効果で敏捷性が上がった彼女は、颯爽と塀を飛び越えて敷地内に侵入する。

 「なっ」「い······」

 二人の敵が目を丸くしている内に、ローシェは素早く動きエストックを突き出す。

 首元目掛けて。

 剣のもう一つの効果、正確性の向上もあって、まず一人を仕留める。


 もう一人の敵は、裁きの力を使おうとする。

 だがローシェは、力を使わす前に距離を詰めて、首元を狙う。

 剣は相手の喉元を貫く。

 ローシェはすかさず抜いて、武器に付着した血液を払った。

 そして、二人の裁司者に息がないのを確認すると、「フィアは大丈夫かしら······」と呟いた。




 正門にて。

 フィアは苦戦していた。

 いつもなら、圧して敵の人数を減らしているのだが、今日に限って防戦に回っている。

 屈強そうな男が、裁きの力でできた炎の手甲で殴りかかる。

 フィアは、腕に付いている雷の剣斧で防ぐ。

 さらに横から、他の敵が攻撃を仕掛けた。

 金属の刃が、大地を切り裂きながら進んでいく。


 フィアはすんでの所で、後ろに跳びかわす。

 「はぁはぁ······」

 (これはやばいかも······)

 フィアは息を整え、構える。

 (一人でも減らさないと!)

 フィアは攻勢に出ようと、横方面にいる敵に向かって駆ける。


 距離を詰め、右腕の剣斧で攻撃する。

 だが三人目の敵が、裁きの力による矢でそうはさせまいと邪魔してくる。

 矢は上空から、フィアに向かって降り注ぐ。

 「うっ!」

 矢の幾つかが被弾していった。

 致命傷は運良く避けられたが、肩や腕に傷を負ってしまう。


 フィアは傷の痛みで、四つん這いになる。

 「終わりだ」

 フィアの目の前にいる男はそう言って、金属の刃を放とうと、右手をかざした。


 次の瞬間、風を切る音が聞こえた。

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