六
雷状の何かは斧の刃部分だった。
その雷の斧は、曲線を描いて二人の男を瞬時に仕留める。
「うっ!」「がっ!」
二人の男が倒れたことに気付いた敷地内の裁司者達は、それぞれ、どうしたんだ? 何かあったのか? と門前に近付いてくる。
フィアは、近付いてくる敵の裁司者目掛けて、再度裁きの力を使う。
雷の斧が迸り、さらに二人仕留める。
庭にいる敵は、残り三人だ。
「あそこに隠れている奴がいるぞ!」
一人の男が、フィアの潜んでいる藪を指差して叫んだ。
(仕方ないか······)
フィアは藪から出て姿を現す。
「こんなことをするからには、覚悟は出来てるんだろうな!?」
屈強そうな一人の男が、フィア目掛け駆けていく。
ローシェは豪邸の裏手にいた。
表の方で、どんぱちが始まったのを耳にする。
(始まったみたいね)
敵の裁司者達は、表門の叫び声を聞いて訝しがる。
「何か騒がしいな」「もしかして、何かあったんじゃないか?」
すると、裏手の敵は二人を残して表門に行ってしまう。
ローシェは、「顕現せよ······」と右手にエストックを出現させる。
剣の効果で敏捷性が上がった彼女は、颯爽と塀を飛び越えて敷地内に侵入する。
「なっ」「い······」
二人の敵が目を丸くしている内に、ローシェは素早く動きエストックを突き出す。
首元目掛けて。
剣のもう一つの効果、正確性の向上もあって、まず一人を仕留める。
もう一人の敵は、裁きの力を使おうとする。
だがローシェは、力を使わす前に距離を詰めて、首元を狙う。
剣は相手の喉元を貫く。
ローシェはすかさず抜いて、武器に付着した血液を払った。
そして、二人の裁司者に息がないのを確認すると、「フィアは大丈夫かしら······」と呟いた。
正門にて。
フィアは苦戦していた。
いつもなら、圧して敵の人数を減らしているのだが、今日に限って防戦に回っている。
屈強そうな男が、裁きの力でできた炎の手甲で殴りかかる。
フィアは、腕に付いている雷の剣斧で防ぐ。
さらに横から、他の敵が攻撃を仕掛けた。
金属の刃が、大地を切り裂きながら進んでいく。
フィアはすんでの所で、後ろに跳びかわす。
「はぁはぁ······」
(これはやばいかも······)
フィアは息を整え、構える。
(一人でも減らさないと!)
フィアは攻勢に出ようと、横方面にいる敵に向かって駆ける。
距離を詰め、右腕の剣斧で攻撃する。
だが三人目の敵が、裁きの力による矢でそうはさせまいと邪魔してくる。
矢は上空から、フィアに向かって降り注ぐ。
「うっ!」
矢の幾つかが被弾していった。
致命傷は運良く避けられたが、肩や腕に傷を負ってしまう。
フィアは傷の痛みで、四つん這いになる。
「終わりだ」
フィアの目の前にいる男はそう言って、金属の刃を放とうと、右手をかざした。
次の瞬間、風を切る音が聞こえた。




