魔法使いの麗奈
「自己紹介がまだでしたね。私は紺﨑麗奈と言います。」
可愛い少女が自己紹介を始めた。いつ以来だろう、女の子と話したのは。
とりあえず俺も自己紹介をすることにした。
「俺は灰霧夜空。なんの取り柄もないただの人間さ。」
「ただの人間って…私もですよ?」
この子は何を言うんだ。さっき、バリバリ俺に魔法を放っていたじゃないか!精霊か何かの類じゃないのか。そう俺は思い、訊いてみた。
「君は精霊な何かじゃないのか?」
「なんでそうなるんですか、どうみても夜空さんと同じ人間の姿をしているじゃないですか。」
少し怒った口調でそう言う彼女には、また違った可愛さがあった。これをギャップ萌えというのだろうか、いやない。普通に喋っている時より、怒り気味の口調の方がなんとなく可愛い気がする。
あぁ、ラノベの読み過ぎだ、アニメの見過ぎだ。そんな俺が想像する女の子なんかこの世にいないんだ。
「夜空さん、どうしてこっちをジロジロ見てるんですか…。」
変な人を見るような目で俺の方を向く麗奈さん。
ヤバい、俺の目はこの子をずっとジロジロ見ていたのか。何か言わなきゃ。
「いや、可愛いなと思って。」
違う、馬鹿、俺!そうじゃない。ああ、これじゃただの変人じゃないか。
「可愛いって私がですか?」
「…。」
「あの…」
「………。」
「あ、ありがとうございます。」
「はい…」
なんだこの変な空気は。ここは話題を変えなくては。間が持たない。
「さっき、俺を治癒してくれたでしょ。それを見て、君が精霊か何かだと思ったんだ。気を悪くしたならごめん。」
「いいえ、気を悪くなんてしませんよ。夜空さんには私が、可愛い精霊に見えたんですよね。」
そうニコニコしながら言う麗奈さん。数分前の俺、なんで可愛いなんて言ってしまったんだ。恥ずかしい、恥ずかしい。
こんな感じですぐに俺と麗奈さんは打ち解けた。




