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1日目〜異世界への憧れ〜

高校生活2年目。

1年生のときのような新しい出会いはもうなく。かと言って3年生のような『卒業までの青春感』を味わうこともできない。

そんなビミョーな時期。それが高校2年生。


少し使い込んだノートに、シャーペンを走らせる。教師が書いた文字を、何も考えず。ただひたすらに、シャーペンを走らせる。


ある程度板書が追いついた所で、窓辺に浮かび流れていく雲が目に入った。

ぽかぽかと暖かい太陽。気持ちの良い風。そんな中を小鳥がちゅんちゅんと鳴きながら風を切っていく。



…ああ、羨ましい。

毎日変わる景色や毎日変わる世界。あんな風に飛べたら…さぞかし気分が良いだろうな。


けど、俺にそんなことはできない。

同じような日々、同じような世界を彷徨い続けている。特別不思議な事も、物珍しい事もない。そんな普通からずっと、抜け出せないんだ。




……いや。前言撤回。

俺はこの世界から“抜け出せる”。あの小鳥のように…飛べる_!




「…来ねぇな」

自室でひとり呟く俺は、宅急便を待っていた。


「…やっぱ騙されたのか?」

時計をちらりと見やると短針は6の近くを指している。窓の外はカラスが飛び回り、夕日がキラキラと硝子に映しだされる。


…2日前にネットで頼んだものは、翌日配達の予定だった。届くはずの昨日は過ぎて、そして今もぼけーっとしながら宅急便を待っている。



「…もうやめよう。そもそも詐欺だなんてわかっていたことじゃないか。


『あなたも夢のような異世界へ…一緒に行ってみませんか?』なんて、

いかにも怪しいサイトにクリックして注文しただけで…実際住所も何も、サイト画面には打ち込んでないんだ。

それで『異世界への注文を承りました。翌日配達で資料を送ります。』とか…届くわけないよな」

なんて、自分に言い聞かすように言ってみる。




実は結構。いや、かなり楽しみにしていた


異世界って言うと、胸踊らせる冒険は当然だ!

それに仲間に背中を預けた命懸けの戦い!


きっと俺は異世界での主人公で、いわゆるチートキャラだ。数々の可愛い女の子に慕われるハーレムポジションに置かれる。

勿論お金などには困らない。強敵と言われるモンスターをサクッと倒し、そのお金で美味しい料理を食らう。



考えただけでもヨダレを垂らしそうな妄想…あ、いやもう垂れていた。じゅるり。


そんな妄想をするくらい俺は異世界に夢を見ていて。特にすることもなくソワソワと何時間も宅急便を待ち続けて。

結局は来ないのに、ほんとマヌケな奴だと自分でも思う。



ため息をこぼしながら、ごろんとベッドに寝転がると、目線は白い天井に変わる。

…いつの間にか、瞼は重くなってきた。


下で母の「柊真ーご飯よー」と言う声が聞こえるが、今はもう起き上がる気力がない。

昨日そこまで夜遅くに寝た覚えはないんだがな。睡魔はそれにお構い無しのようだ。



もういい。寝よう。今日は疲れた。

目を開ける努力をやめると、いとも簡単に意識は現実から引き離される。


あとは、深く、深く。

どこまでも落ちていくように眠るだけだ__




耳から微かに可愛らしい小鳥の囀りが聞こえる。やがてそれは大きく聞こえるようになり、俺は意識をこちらに戻した。



もう朝か…今日は青空が綺麗だな…





…あれ?寝たときは天井だったよな?何で青空なんか…

まだ眠気の残る頭で必死にグルグルと考える。


これは明らかにおかしい。そう判断した俺はばっと起き上がり、辺りを見回す。



…朝一番に俺が見たもの。それは、




とても綺麗な青空と、



「………俺…だけ?」


何の建物もない、だだっ広ーーーーーい草原の中にひとりだけぽつんと。

開いた口が塞がらない俺が居た。

はじめまして。赤澤氷雨と申します。ご覧いただき誠にありがとうございます!この作品ではちょっと残念な異世界をモチーフに書いていけたらなぁと思っております。


初作品で至らぬ点も多いですが、お付き合い下さると非常に嬉しいです!また、アドバイスや改善点なども指摘して頂ければ幸いです。


それでは改めまして、これからどうぞよろしくお願い致します!

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