初めての戦闘
ベル派かエル派でかなり派閥がある。
主人公はかわいい子はジャスティス派です。
5階層目はモンスター戦の基本を学ぶのだ。
ただ戦うだけではなく目くらましや誘導で罠に仕掛けたり軽業師みたいに縦横無尽に動き
周り倒していく言わばこのブラッドレイプリズン内の花形でもある。
私もこれをやってみたくて始めたと言っても過言ではないのだ。
『ようこそ5階層目へ、この階層の担当はエルに変わりわたくしベルが勤めさせて頂きます』
「へぇ?エルはなんで外れたの?」
『エルは戦闘に不向きなため戦いのサポートはわたくし担当になりましたの・・・ですが、まだ装備品もお着けになっていないなんてまた1階層目からやり直します?』
ネット攻略で有名な2大サポートキャラクターのエルとベルは派閥があり大多数がそのファンクラブに参加している。
ベルは黒と赤を基調としたセクシーな衣装を身に着けた妖精で、エルは白と緑を基調としたフリルが多い可愛らしい衣装
この2人の性格もそれぞれ違いそれが論点で争われたこともある。
そんな思考で考えていると
『いい加減にしなさいボケ罪人、わたくしが親切心で教えて差し上げようとしましたのに話を聞かないとはどうゆう了見ですの!!』
「これが女王様の台詞、初めて出会ったら聞いておいて損はないて噂の台詞」
『う、うるさいわよ、さっさと準備を始めなさい!! ステータス画面で装備品を装備しなさい』
「はい、ベル様」
ステータス画面は自身が念じれば出てくる。
プレイヤーはアイテムバッグを必ず初期で持っている。
初心者はウエストポーチ型になっておりゲームコイン《ゴル》で好きなアイテムバックを買うことが出来るのだ。
バックは値段が高ければ高いほど収納能力はアップするので、その都度買い換える人は多い。
「こんなもんかなぁ」
『あら、やっと装備が終わったのね愚図罪人・・・まぁ見れなくもないけど貧そうだからさっさとレベルをアップさせなさい』
『攻撃方法は剣を振れば良いだけ、スキル技は自分で念じれば使用可能、
使える攻撃スキルは《スマッシュアタック》SKPは1消費致しますわ、じゃあ始めましょうか』
パチンとベルが指を鳴らせばそこに2つの的が出てくる。
私は試しに剣を振り、的に狙いを絞り踏み込んで斬りつけ何撃か攻撃を繋げていき動作を確かめながら的をバラバラにしていく。
次の的にはスキルを念じるとスピードが増していき的は瞬時に切り裂かれ粉々に砕けた。
「すごい、このスキル!!私の身体じゃないみたい」
『次は防御、これは《フィール》そうすれば透明な膜ができ攻撃を数秒だけ防げる、SKP5を使用してしまうから複数回使用してしまえば、分かるわね? 足りない脳みそで考えて使いなさい、あなたには実際にこの敵で試してもらうわ』
ベルがまた指を鳴らせば簡略な砲撃をする敵が現れた。
敵は狙いを私に定め砲撃を開始する。
なんとか避けながら私はスキルを念じるすると薄い膜が出来上がり、砲撃を防いでくれた。
だが、すぐに膜はなくなり攻撃が私の身体に当たる!!
数秒間待っても、攻撃判定である身体に来る激痛がこない、閉じていた目を開けると消えていた。
『ふふふ、あなたに当たる前に消すことなどわたくしには雑作もありませんわ』
「そうですか・・・」
『さて、では扉を潜りなさいなボケ罪人』
ベルに言われたので扉を潜ることにしました。
鉄格子で囲われた扉を開けると広々とした場所に4匹のモンスター、私から近い敵でスライム2匹、扉近くに棍棒を持ったゴブリンがいた。
剣を構え敵の動きを観察する。
スライムは飛び跳ねたりしており、ゴブリンはこちらにまだ気づいていない・・・
とりあえず作戦としてはまずスライムを攻撃、ゴブリンまで影移動、トルムで時間を止めて攻撃してから最後の1匹をスマッシュアタックでフィニッシュこれで行こう。
そうと決めたら行きますか。
私は剣を構え、目の前にいたスライムを3回連続で攻撃すると溶けて消えていった。
次の2匹目にダッシュで向かい攻撃を食らわせる。
2撃目でジャンプをして交わされたので距離をとるために逃げるとゴブリンに気が向いておらず
グギャァー
叫び声とともに棍棒が投げられ、逃げていた私の背中に当たり、衝撃が走る。
防具を着けているが、それでも攻撃のダメージはかなり痛いです。
脛を思いっきり蹴られたぐらいの衝撃でした。
「そんな攻撃ありか!!」
『ふふふ、常に回りに気を配らないとこんなふうになるわ、気をつけなさい』
「は、はいベル様」
ベルのありがたいお言葉を頂き、俄然やる気になりました。
まずはスライム!!
スライムに攻撃を喰らわせ倒し、当初の通り《ゲムラ》を使用し移動その間にもゴブリンが周囲を警戒して構えている。
次に私は影から飛び出し、《チィーナ》を発動し壁と同化する。
私の近くにいるゴブリンが後ろを警戒した瞬間にスマッシュアタックを繰り出し、続いて《トルム》を使用する。
動きを止めたところですかさず連撃を喰らわせる。
ゴブリンも同じく溶けてなくなった。
「あと一体!!」
SKPは十分にあるからスキル併用でまた攻撃を喰らわせよう。
私は敵の間合いに飛び出し、攻撃を喰らわせようと剣を振り抜くとゴブリンの棍棒が私の攻撃を防ぐ。
棍棒攻撃は続き、何発か受けたがなんとかかわせたがHPが残り30にも満たない数字になっている。
不意の瞬間をつかれ敵が棍棒を構えて攻撃動作に入ったとき、私は防御スキル《フィール》を使用し攻撃を防御した。
「そう何度も喰らうかこのゴブリン!!」
叫びながらスマッシュアタックを連続で喰らわせ、最後のゴブリンも溶けてなくなった。
扉を潜り、5階層目を突破し晴れてチュートリアル達成まで迎え、無事にレベルもアップすることが出来た。
今回はなんと2レベルも上がったのだ。
Lv7
name ランリール
HP 255
SKP 31
DF 35
PW 30
SP 運命抗いし罪人
『祝福の言葉を囁いてあげるわ、この牢獄から抜け出せる基礎をあなたは手に入れた』
『この牢獄内では自身の力で切り抜けないと行けない場面が多くなると思うけど大丈夫だよ』
突破した瞬間に私の目の前にはエルとベルが並んで立っていた。
そして、荘厳なBGMと共に彼女たちは杖を振り2つのアイテムを渡してくれた。
1つはアイテムのラポンド4つとポーション4つ、もう1つはこのゲームで重要な情報の欠片を手に入れた。
『ランリール様は自身の無罪を探し出すためにこの脱獄を目指した・・・』
『わたくし達はあなたのサポートをするしか出来ない・・・』
『これだけは忘れないで下さい』
『決して希望を失わないで下さいね』
『決して心を失くさないで下さいませ』
2人は私の前で祈りを捧げるように見つめ誓いを立てさせる。
そして、私の目の前でメッセージアイコンのYes/Noという選択肢が出てきた。
迷わず私はYesのアイコンを選択した。選択肢によっては演出が変わり、Yesなら
『あなたならやり遂げられます、頑張って下さいね』
エルが私の手に触れてにっこり満面の笑みを浮かべてくれる演出になる。
頑張ります、これで1.5倍は晩ご飯がおいしく食べられます。
そして、エルとベルは満足そうに消えていった。
ガシャアァァン
高音とも低音とも言い難い不思議な金属音が私の後ろから響き、振り向こうとしたのだが頭を殴られてしまい地面に全身が強打する。
霞む視界で見た赤い血の色をした鎧を身に纏った人物が何かを呟いていたところで意識を失った。
情報の欠片
なぜ私は血塗れで部屋にいるのだ。
この握られている銃はいったい・・・
頭が痛くて思い出せない。
警察のパトカーのサイレンが聞こえてくる
私が犯人? エルムとベルラを殺した犯人だと・・・?
という感じのアーカイブ的な内容が書かれています。