影移動習得
久々更新で少し変な形で始まっているかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。
今回はスキルの説明がちょくちょく入ります。
転送により眩い光に包まれる数秒間待つと目的の階層に着いた。
ー第3階層-
この階層は柱が多く、隠れられる場所が多いが、それと同じぐらい敵も発見できにくそうな構造で、正直私は大丈夫なのだろうか・・・。
入り口前で思案してると光の粒が集合しナビゲーターの妖精エルが空中で回転して現れた。
『ランリールには次のステップ、影移動の方法を習得してもらうよ!』
『影移動は柱の影から影へと素早く移動する行動スキル、この影移動はコツがいるからこの階層で学んでね』
「影移動・・・」
エルは私の右肩の近くに来ると星形がついた杖を持ち
『地の盟約、我を加護する神々の名により彼の者に力授ける』
杖から光が溢れ私を包んでいく。
杖からの光が収まると身体から何かオーラ的なモノが溢れるが、一瞬で消えてなくなった。
『これでランリール様は影移動を会得したよ、じゃあ次は呪文だね
呪文は《ゲムラ》SKPは1消費します。ではさっそくやっていただきます!!』
エルが私の右肩に乗り、私は扉を開け階層へと入る。
攻略情報通り柱が多く、敵が見つけにくい状態である。
このままでは大変なのだが、第一階層で手に入れたスキルを使えば柱の陰に隠れているモンスター、看守の位置情報を手に入れられる。
呪文は《サーモ》、そしてこのサーモはスキルレベルをあげることで広範囲で位置情報を手に入れられるのだ。
初期レベルが自分から3メートル四方、レベル2で6メートル四方、レベル最大で1階層丸ごと、スキルの最大レベルは10まで上げることができる。
ただし、スキルレベルもまた自分の踏破階層次第で上限が上がる。
だから、スキルだけ上げることはできない仕組みになっている。
SKPは2消費するがこの階層を出るまで持続するものになる。
そして、スキルは自分のスキルポイントを消費して利用でき、特定の回復材がなければ回復を行えない。
SKPと表記されレベルが上がることにより、
体力(HP)スキルポイント(SKP)防御(DF)力(PW)称号(SP)の5つになる。
現在の私のステータスは
Lv3
name ランリール
HP 190
SKP 16
DF 13
PW 15
SP 新たな罪人
になる。
「スキル《サーモ》を発動、併用可能スキル《ゲムラ》を発動」
サーモの能力により私から近い柱右から2つ目に看守が見廻りをしている。
この階層は情報によれば3人いる。
一人目は立っていて四方を見るだけの見張り番、二人目は入り口近くを時計回りで見廻りを開始する。
そして三人目はミレイナさんの情報ではランダムで現れるが、出口に近くならなければ出てこないので今は考えずに突き進める。
「さてさて、影移動開始しますか」
『影移動はランリールの近い影に移動するけど、看守によってはこの移動に気づく者が出てきます。あまり過信せずにお進んでね』
エルの助言を受け、私は近くになる柱を目的にして移動を試みる。
まるで氷の上を滑るように瞬時に私は影へと移動することができた。
すると、サーモの能力から敵がこちらに近づいてきているのを感じ、私は柱に手をかざす。
「《チィーナ》」
チィーナとは15秒間だけ柱や壁、床など建造物に同化することが出来るスキルになる。
これで看守をやり過ごして次に移動するのが正攻法になるのだが、匂いや気配を消すことが出来ないのでモンスターにはばれる恐れがあるらしく、15秒という制約があるので、看守が来る直前に使うことで効果を発揮できる。
SKP消費は2になる。
チィーナを発動し看守をやり過ごすため柱と同化する。
間近に見る看守は顔を帽子で隠し独特な服、武器を右手に持ち段々とこちらへ近づき、右、左、後ろと警戒して見回っている。
口を手で押さえ息を止める。
そして、少し立つとまた看守は移動を開始した。
看守が離れたことを確認しスキルを解除、また影移動を開始した。
出口近くまで看守と接触せずにすんだが、これからが大変になる。
ボォーーーンと音が鳴り、看守が一名現れた。
これがランダムに動く看守だというのがわかった。
この階層には出口近くで看守が出現したが、
階層によっては罠があり発動することで看守が増えたり、モンスターが出てきたりするのだ。
「影移動は・・・無理だね出口までの柱も壁の影もない」
『ランリール様、出口近くにこられましたか? では次のステップに移りましょう』
エルはそういうと私の右肩を離れ宙を舞う。
『今回発動した影移動は看守の影も該当するですが、拘束時間が10秒間になりますただし、この方法を行うと発見確率が上がるので常に警戒をしてね』
「つまりはその間に別の影に移動するということか・・・」
私はエルのアドバイスを受けランダム看守の影を使おうと移動する。
すると、看守が後ろを見るため視線を移動させようとしていた。
やばい、私は咄嗟の判断で後ろへ影移動を行った。
「危なかった・・・見つかってたらどうしようかと思ったよ」
独り言をつぶやくとまたランダム看守もといランダで良いか、
ランダの影へと移動するため行動を開始する。
ランダの近くへ来ると次はあいつが辺りを見回している最中に移動しようと神経を尖らせ一瞬の隙を待つ。
右、左、右、下 その順で見回すランダに私は左を向いた瞬間に影へ移動する。
そして、出口の扉の影を利用して第3階層をクリアした。
『おめでとうございます。次は時間を止めるスキル《トルム》を覚えてもらうよ』
「トルム・・・」
『じゃあ、第4階層で待っています!』
エルは一回転して姿を消した。
私は今回手に入れた戦利品を見る。
スキル回復役のラポンドと体力回復のポーションを手に入れ、そして、今回の踏破経験値でレベルをアップした。
Lv4
name ランリール
HP 210
SKP 21
DF 15
PW 17
SP 新たな罪人
そして、私は次の階層へ向かうため、魔方陣を起動する。
「抗う運命を」
そして、私の姿は魔方陣の光で消えていった。
次は第4階層、時を止めたりしますよ