結界師・土御門白の覚醒、作られた天才
この作品は今書いている長編の主要人物の過去の話です。都合上考えなくてはいけなくなったのでいっその事ここっ書いてしまおうかと!
息が出来ない… …
苦しい……
息が……
「ぷはっ!!」
深い眠りから土御門白という少女の目を覚ましたのは、毎朝起こしに来る姉妹や母親ではなかった。
白はいつもと違う風景にまだ夢の中にいるのではないかと思っていた。
最初に目に入ったのはいつもみんなで食事を取るすリビングだった。姉妹10人と両親が食事を取る西洋風の横に長いテーブルはそこにはない。
「なにこれ?」
代わりにそこにはいくつかの大きな水槽がある。
「っ!」
体が動かない…
下に目を向けると体が見えないような大量の濁った水に沈んでいた。体は足の先と首から上しか動かす事が出来ない。
よく目を凝らすと透明なガラスが白を囲っている。ここにきてようやく自分が水槽の中にいる事に気がついた。
「白ちゃん!!」
聞き覚えのある、甲高い声がする方へ顔を向けると、そこには同じ様に水槽に入れられている姉妹の1人がいた。
「岬ちゃん!!そこにいるの?」
土御門岬、義理の姉妹で血が繋がっていないが白は岬の事を本当の妹のように可愛がっていた。
「全然動けないよー」
普段周りを和ませるようなのんびりとしたしゃべり方はこの時も変わらない。
岬は隣の水槽に白と同じように入れられていた。
背伸びをしないと口が泥水に浸かってしまうような水位だ。
どうやらそれは岬も同じらしく、不自由そうに体を揺らしている。気を抜いてしまえば、泥水を飲んでしまいそうな状態だ。
「私の髪がぁー」
岬の自慢の長くきれいな髪が泥水に浸かってしまっていた。
「後でシャワー浴びないとね」
岬のいつもと変わらない態度に自然と気が楽になる。
幼い頃から聞いてきた姉妹の声が周りから聞こえ始めた。
その時、一斉に部屋の明かりが点いた。
「きゃーっ!!」
辺りを見渡せるような明るさになった時、そこにいたほとんどの人間が悲鳴をあげた。
そこには姉妹10人、全員が水槽に入れられている光景があった。
最後まで読んでくれてありがとうございます♪興味を持ってくれた方は次も読んでもらいたいですー 続きの載せ方に困っています…助けてください