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あなたの子を授かりましたと言われたボクは…

作者: 猫の集会
掲載日:2026/04/23

 ボクの名前は、ユウ。

 

 そして、今ボクのとなりでオロオロしているのは、ミキちゃんという女の子。

 

 

「どうしたの?ミキちゃん」

「あのね…ユウくん、実はミキね…あなたの子を授かりました。」

 

 ⁉︎

 

「えっ⁉︎」

「とぼけないでよ。というか、責任‼︎とってよね‼︎」

 

 …

 

 さっきまでのオロオロは、どこへいったのか?ってくらいの迫力でボクに迫るミキちゃん。

 

 とりあえずつきあうことにしよう。

 

「ミキちゃんさ、なんで父親がボクだと思うの?」

「だって、あんなことしたんですもの」

 

 …

 

 まぁ、身に覚えは…なくもない。

 

 いや、ない。

 

「ボクは、責任感は…ある方だけど、でもその責任は…とれないな」

「なんでよ⁉︎でも、もう遅いよ?さっき運んでたし」

「だれがなにを?」

「コウノトリさんが赤ちゃんを」

 

 …

 

「コウノトリ?もしかして、さっきカラスがなんか咥えてたやつ?」

「うん、たぶんそう。」

「それ、カラスだよね?咥えてたの生ごみだし。コウノトリじゃないよね?」

「そんなこと言っても逃れられないからね?ミキは、地の果てまで追いかけるから」

 

 …

 

「だから、父親ボクじゃないから」

「いいえ、あなたです。」

 

 …困ったな。

 

「ところでなんで、ボクとミキちゃんの赤ちゃんできたの?」

「そもそもユウくん、ミキのおててにぎにぎしたよね?おてて繋ぐと赤ちゃんできるってママが言ってた。」

 

 あー

 さっき先生が、となりの人とおてて繋いでねーって言ってたやつか。

 

 ボク…たしかにやってんなぁ。

 

 でも、それはたぶん赤ちゃんできていない。

 

 いや、できているわけがない。

 

「ミキちゃんは、とても純粋なんだね」

「なんで?」

「ところでさ、ミキちゃんはボクと結婚してもいいと思ってるの?」

「うん、いいよ。だってユウくんのこと大好きだもん」

「じゃあさ、大人になったらまたボクが結婚しようっていうから、そしたら結婚しない?ボクたちまだ幼稚園生でしょ?赤ちゃん、まだきてないと思うんだ。」

「そうなの?」

「うん、そうだよ」

「わかった!ユウくんがいうなら信じるよ」

「うん、ミキちゃん信じてくれてありがと」

「うん」

 

 ミキちゃんは純粋で、そしてボクをいつも信じてくれる。

 

 この前も、ボクがいち早く教室に入ったとき、田中くんの粘土が棚から勝手に落っこちてね、ボクとはだいぶ離れていたんだけど、あっ‼︎って駆け寄ったところに、鈴木さんが教室に入ってきて、あー‼︎いけないんだぁ‼︎壊したんだあ‼︎って大騒ぎしてね、ボクは落としていませんってみんなにも先生にも言ったんだけど、鈴木さんが絶対ユウくんが落としたんだって言い張って、ボク…泣きそうになっていたら、ミキちゃんが

「鈴木さんは、それをみたの?」

 って聞いてくれてね、

「みてない…けど、絶対ユウくんが落としたんだよ‼︎」

 って言ってきて…

 

 でも、ミキちゃんが

「それは、みてないなら言いがかりっていうかかりだから、ちゃんと係の仕事して?良い係の仕事は、そんなことじゃありませんよね?どうなんですか?あなたは、係の仕事をきちんとやっていますか?どうですか?」

 と、つめより鈴木さんは、わかりましたと、おとなしくなった。

 

 ミキちゃんは、たまに大人みたいな口ぶりをみせてくる。

 

 ボクがホッとすると、ミキちゃんが微笑んだ。

 

 

 

 あれから、けっこう数年後

 

「ユウくん‼︎ユーウ〜くん‼︎」

「なんだよミキ…」

「ユウくんが好きすぎて好き〜」

 と、微笑むミキ。

 

「オレも大好きだよ。さ、今日から初出勤お互い頑張らないとな」

「うん‼︎」

 

 ミキは、教師になった。

 

 そしてボクは、警察官になった。

 

「ミキ、途中まで一緒に行こうか」

「うん!」

 

 ミキの左手の薬指にはめられた指輪がキラリと輝いた。

 

 そのひかりごと優しくミキの手をにぎりしめて、幸せの未来へとふたりで手を繋いでこれからも歩んでいく。

 

 

「ミキ、大好きだよ♡」

「うん、ミキも大好き♡」

 

 

 

 

 おしまい♡

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