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転生タイムスリップ  作者: Ari
第一章
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4 戦乱の時代

(どうして、白髪に戻ってるの? まさか転生した夢でも見ていたと言うの? それにしては長い夢すぎるし。それにー )


「こんな広い草原、前世の世界にはなかったはず・・・」


 私はふと遠くにある高い山を見た。その山は、


「えっ? あれって天空山じゃない?」


 今世の世界にある世界一高い天空山だった。


「でも、天空山の近くに草原なんてあったけ? いや、ない・・・。ここは位置的には都市があるはずだし・・・」


 ちなみに葵はその都市に住んでいた。


「絶対に草原はないはずなんだけどな・・・?」


 その時、葵の頭の中に違和感が浮かんだ。


 ・・・


 ・・・・・!!


「ある!! いや、()()()と言うべきかな」


 広大な草原は確かにここに存在していた、


「私が生まれ変わった時代から、千年前の時代に草原は存在していた」


 千年前に。




 千年前

 その時代は戦乱の時代と呼ぶに相応しい。

 なぜなら、四大大国が戦争をしていたのだから。

 最終的には四大大国の一つが勝って四つの大国を一つに統一するが、戦は二百年近く続いた。


「・・・なんで、そんな時代(ところ)に私はいるのかな・・・?」


 ・・・。


「これが最近人気のタイムスリップというやつかな!?」


(いや、おかしい! なんで転生者がタイムスリップすんの? ファンタジーな出来事は転生だけで充分なんですけど?)


 ・・・


「一旦、落ち着こう。・・・タイムスリップしたのは確定として問題は『どの時代に』だ」


 転生者は思考の転換が速い。


 草原は戦乱の時代の前はもちろん、戦乱の時代が終わった後も数百年は存在していた。しかし、都を作ることになって草原は徐々に消えていった。

 つまり、葵がタイムスリップしたのは戦乱の時代と決めつけるのはまだ早い。


(何か時代を特定できるものがあれば・・・あるか? ・・・ないな)


「人に直接聞くしかないか・・・」


 国の名前や状況を聞けば、どの時代かわかるだろう。


「村・・・さがすか」


 葵は村を探すため歩き出す。


「あっ、髪どうしよう」


 さすがに白髪は目立つ。


「隠しとけば、バレないかな?」


 幸い体操着の上にパーカーを着ている。生地やデザインなどいろいろと問題はあるが、髪の色を見られるよりマシだろう。


「よし、じゃあ行くか」


 パーカーで髪を隠してからまた歩き出す。





 歩き始めて三十分。

 前方遠くに里らしきものが見えた。


(・・・見つけるの早くない? いや、早くても・・・いいんだよ? でも、一日は覚悟してたんだよ?)


 葵は少々、納得いかない感じで里に向かったのだった。



 二十分後。

 里についた。その里は低い木の柵に囲われていた。

 

(勝手に入っていいのかな? ・・・普通に人出入りしてるし大丈夫か)


 門に近づいて気づいた。門番がいない。それはつまりー


(戦争が起きていないから安全、ということかな)


 ちょっと嬉しくなった、葵であった。



 里の中には問題なく入れた。

 少し、いや大分奇異な目で見られているがそれはしょうがないと割り切った。

 

 私は近くにいたおばさんに声をかけた。


「あの、少しいいですか」


「ん? ああ、あんたのことか、見慣れない旅人ってのは。少し話すぐらいなら問題ないよ」


(えっ? 私が来たのついさっきだよ? なんで知ってんの? 情報の伝達速度速くない?)


 と不思議に思いつつ本題に入った。


「この国の現在の状況を教えてほしいんです」


「現在の状況? 別にいいがあんたもこの国の民なら知ってるんじゃないか?」


(あっ、そうだった。普通に考えたらそうだった。・・・ごまかさないと)


「えっと・・・私が育った村は山の奥にありまして、長い間、他の村や里と交流してなかったから外の状況がわからないんですよね・・・」


「ふーん。それなら仕方ないね」


 少し怪しまれたが何とか乗り切った。


「この国は今、戦争中だよ。戦争が始まったのは五十年ぐらい前からだったかねぇ。」


 ん?


「四大大国の皇帝達は頭がイカレてるよ。領土を増やすなんて無駄なこと考えやがってね。」


 あれ?


「はぁー。早く戦乱の時代は終わってほしいね」


 希望ははかなく散っていった。


(まさか、本当に戦乱の時代だった・・・)


 しかも戦争が始まって五十年ということは、


「あ、そういえば、最近この国の皇帝が床に臥せているって噂があったね」


 皇帝が死んだことによって跡継ぎ問題が起き、そのすきに外部から攻め込まれ、一つの大国が消えることになる。


(・・・絶対、この国のことじゃん)


「でも跡継ぎの蒼焔様がいればこの国は大丈夫だよ。あのお方は優秀でお優しいからね」


(蒼焔?そんな皇帝いたっけ?)


「・・・まあ・・・何もなければいいが・・・」


「?」


 その時ここからそう遠くないところで土煙が上がった。


「なんだい?・・・土煙?」


「・・・いつも、土煙ってあがります? 」


「上がるわけないだろう」

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