45 魔術講習
次の郷までの道のりは特に刺客に襲われることもなく安全に旅をすることができていた。
まあ、そもそも狙われるということは普通はない。でも蒼焔様はこの国の第一皇子。確実に狙われる身分の人だ。それを理解した上で一つの質問をした。
「なんで、護衛がいっつんと亮の二人だけなんですか?」
「国の決まりなんだ。次期皇帝候補である皇子は見分を広げるために十七歳になったら国を見て回る義務がある。その際に連れていける供は四人までだ」
「四人? なんで二人しか連れて行かなかったんです?」
「本当はもう二人連れていくはずだったんだが、叔父殿に邪魔されて連れていけなかった」
聞けば、蒼焔様の叔父は次期皇帝の座を狙っているらしく、継承権第一位である蒼焔様が邪魔で度々、政務の邪魔や刺客を送ってくるという。
前回現れた、刺客もその叔父の仕業だとか。
(実の甥に刺客を送ってくるとかやばいな。私がちゃんと守らないと)
もともと四人という少ない人数なのにさらに二人までに減らしたとなると確実に殺そうとしている。気を引き締める必要があるようだ。
これから一時間に一回は周囲を魔法で確認することにしよう。範囲は半径2キロぐらいかな。
過保護? いやいや常に魔法で確認していてもいいぐらいだよ?
そんな感じで本当に一時間に一回確認をするのだった。
「そういえば魔術の使い方を教えてくれると言っていたよな」
郷に向かう途中、小川の近くで休憩をしていたら今思い出したといった感じで蒼焔様が言ってきた。
「確かに―、言ってたよねー」
「あー・・・言いましたね」
やばい完全に忘れていた。明日から修行だ的なこと言っていたのにその後に色々ありすぎて頭から抜けていた。
「じゃあ・・・ちょうどいいから今から教えましょうか?」
「今からか? いっつん時間はあるか?」
「そうですね・・・。葵が予想よりもだいぶ早く馬に乗れたので時間には余裕があります」
いっつんが太陽の高さを確認しながら大丈夫だという。すごいな、太陽の位置で時間がわかるのか。
「よし、大丈夫だな。それじゃあ葵。魔術について教えてくれ」
「はい・・・えーとまず、魔術を使うには魔力と魔法陣、この二つが絶対に必要です。あと、
力と精神の安定、威力を上げるために詠唱をする人もいます」
とりあえず魔術について教えることにした。




