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転生タイムスリップ  作者: Ari
第二章
33/44

32 執務室

 執務室に張白の姿はなかった。

 代わりに、


「だ、第一皇子殿下・・・!!」


 五十代後半のおそらく執事だろうおじいちゃんがいた。


「そなたは・・・この家の執事ですか?」


「は、はい。執事の博文と申します。あの・・・こちらにはどのような御用で・・・?」


「張白殿に会いに来ました。・・・ですがいないようですね。もう、朝の十時を過ぎているというのにまだ寝ているのですか?」


「い、いえ別に寝ているわけでは・・・ないのですが・・・」


「では、どちらに」


「うっ、え、えっと」


 だんだんと執事に圧をかけていく蒼焔様。

 このままでは執事が危ない。


(魔法を使って張白を見つけ出すか、このままだと執事の心臓が止まる。

 ―<気配察知>)


 私は気配察知で張白の気配を探る。

 すぐに、見つかった。

 見つかったところが少々予想外だったが。


 <気配察知>に反応した張白の居場所は()()()

 つまりはここだ。

 正確には執務室の壁の中の空間。隠し部屋からだ。


(隠し部屋があったとは・・・ビックリだね! 問題はそこにどうやって入るか、だ)


 とそこで、蒼焔様からいまだに圧を受けている執事を見る。

 その執事の目がほんの一瞬、壁際の本棚に向いた。


(あー、なるほどね)


 隠し部屋へ入る方法の定番と言えば、本を本棚の指定の場所に入れることだろう。

 私は本棚に向かう。


「あっ、お待ちください! 本に触れてはいけません!」


 案の定、執事のおじいちゃんが止めてきた。

 これで、本棚が隠し部屋につながる鍵だと確定した。


「なぜですか? 本を見ようとしただけなのですが・・・もしや、この本棚に何か秘密でも? たとえば・・・隠し部屋につながっているとか」


「っ!」


 しまった。というような顔になる執事。


(なぜそこまで、張白をかばうのか・・・主だからか? わからないな)


 とりあえず、隠し部屋にどうやったらつながるか考える。


(一冊一冊、空いてる所に本を入れるのは正直言って、めんどくさい・・・いっそのこと壊すか)


「蒼焔様、この本棚、壊してもいいですか?」


「何を仰っているのです――」


「おおー、いいぞ。早く張白を見つけたいからな」


「では、遠慮なく。<身体強化・三倍>」


(そういえば・・・このまま、壊すと本たちが危ない・・・魔力で包んでおくか)


 本棚を壊す前にそのことに気付き、すぐに本を魔力で包む。


(これで、遠慮なく壊せるね!)


 今度こそ、私は身体強化した腕で本棚を殴った。

 もちろん横から。真正面からやったら、隠し部屋への扉が塞がってしまうかもしれないからね。


 本棚は軽々と横にとんで行った。

 そして、本棚があった場所の壁に小さめの扉があった。


「扉、ありましたよ」


「よくやった。よし、行くぞ」


「「「はい(-)」」」


 私達は扉へ向かう。


「お、お待ちください!」


 と、そこで先程の執事が扉の前に立ち塞がった。


「どけ、蒼焔様は暇じゃないんだ」


 五丸がにらみつける。

 だがそれでも、執事は引かなかった。


「ど、どくわけには・・・どくわけにはいきません!」


「・・・そうか、そういうことなら斬るまでだ」


 腰の剣に手をかける。

 どうやら本気のようだ。

 だが、目の前で人が死ぬはあまり見たくないので止めることにする。


「いっつん、落ち着いてください。博文さん、そこまで必死になるということは何か事情があるのでしょう?」


「っ、な、なぜそれを・・・」


(やっぱり・・・)


「相談にのってあげたいところですが今は少し忙しいのです。少し、寝ていてください」


「? なにを――」


 私は出来るだけ痛くないように手刀で執事を眠らせる。

 そして、壁際に寄せておいた。


「いっつん。別に殺す必要はないのですよ。このように眠らせるだけでいいのです」


「う、そう、だな。すまない・・・」


「反省したならいいです。それじゃあ・・・行きましょうか」


 今度こそ、扉に近づき、扉を開ける。

 私の目に入ってきた光景は――


 ――上半身裸の張白と薄着の服を着た女性達・・・。


 

(・・・来るタイミングミスったかな・・・)


しばらく投稿できなくてすみません!

言い訳になるかもしれませんがもうすぐ期末テストでして、、

時間に余裕がないんです・・・。

でも、できる限り投稿したいと思っているので見てくださいね。

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