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転生タイムスリップ  作者: Ari
第二章
26/44

25 宴会

 案内役に案内された部屋の前まで来た。

 扉は大きくとても豪華だった。

 扉を見るだけで、部屋にとてつもなくお金がかかっていることは見ればわかる・・・。


「第一皇子殿下、こちらの部屋です」


「ああ、ありがとう」


 いっつんを先頭に部屋に入る。

 部屋は、予想通り宝石やら金やらが使われていてとても豪華だった。

 豪華なのだが・・・少し豪華すぎる。


(皇都から少し離れているのに、ここまで豪華にできるとは・・・ここは都でもない郷。どこからそんな資金が・・・。特産物でもあるのかな? あとで聞いてみるか)


 今は宴会のことだけを考えようと意識を変える。


「おお、蒼焔様! ようこそおいで下さいました! 本日は存分にお楽しみください」


「ああ、張白殿。長くはいられませんが楽しませてもらいます」


「さ、こちらの席へ」


 蒼焔様が通されたのは主役席。まあ、そうなるよね。

 私といっつんは蒼焔様の後ろに立つ。

 亮はなんか蒼焔様から別件で任務を請け負ってていない。

 

(なんの任務だろう? 亮にできる任務・・・?)


 いまだに葵が亮に対する評価は少し低い・・・。

 亮は大体何でもできるのになぜだろうか・・・。

 ・・・・・



 宴会が始まって二十分。

 ここまでは普通に平和に進んでいた。だが、


「蒼焔様、実は紹介したい者がいまして、」


 張白が唐突に話題を出す。

 おそらくこれは・・・


「私の自慢の娘を紹介させてください。三人とも入ってきなさい」


 だよねー。

 蒼焔様の予想が当たった。


(さて、どのタイミングで外套を脱ぐべきか・・・)


 私が考えてる間にも話は進んでいく。


「右から明珠、麗華、美蘭です」


 現れたのはおそらく二十歳、十九歳、十四歳ぐらいの少女。

 全員、自分がこの世で一番美しいと思ってるような顔をしている。自信ありすぎだろ。

 実際の所、厚化粧しすぎで素顔はわからないが、女性の秘密はあまり探るもんじゃないのでそっとしておこう。

 

(それにしても、張白という男、自信があるのかただの馬鹿なのか、蒼焔様の許可をもらう前に先に紹介しだすとは・・・蒼焔様はこれを予想してたんだろうな)


「初めまして、蒼焔と申します」


 これまた、誰もが安心する優しい笑顔で挨拶する蒼焔様。

 よくできるよなと隣で、いっつんが感心している。ちなみに私も。

 だが、その笑顔が災いした。

 三姉妹は脈ありと判断したのだろう。

 許可なく蒼焔様に近づいてきた。

 さすがに止めた方がいい。


「お嬢様方、これ以上は近づかないでください」


「「「!!?」」」


 三姉妹の顔が笑顔から怒りに変わった。


(・・・しくったな。もっと別の言い方をすればよかった・・・)


 


 

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