表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
崖の先は異世界  作者: ザマソー小説部
一章β 此処にいる理由
16/17

第四話β 俺と目指す場所と


まだ昼だと言うのに静かな森の中、

森は薄暗く歩くのも一苦労だ、それに加え当然森の中には道など無く一歩歩くたび好き放題に伸びた草が歩くのを邪魔し、

朽ちた木が倒れ行く手を塞<ふさ>いでいる。

って言うか森よりもジャングルに近いのかもしれないな。

こんなジャングルみたいな場所を歩いた事無い俺にはかなり歩き難い。

だが、さっきから鳥の鳴く声どころか無視の鳴く声すらしない。

こんな鬱蒼<うっそう>としたジャングルみたいな場所で無視の鳴く声すらしないなんて不気味すぎる。

正直この薄暗く不気味なジャングルを一人で歩ていてるのは怖い。


そう…俺はあの魔術師、マーリンとか言う名前らしいが。

そのマーリンとは今は別行動をとっているのだ。

イヤ………正確には置き去りにたと言った方が正しいかもしれない。

マーリンは俺に言いたい事をを言ったらたら、蜃気楼の様に消えてしまった。

蜃気楼なんて見た事ないけどな。

兎に角、マーリンと別れた俺はマーリンの助言に従って近くにあるという村に向かっているのだ。

右も左も分からない森の中だ、下手に動いて迷子になったらシャレにならんって言うか既に一晩を森の中で過ごした俺としては、

二日連続で野宿は勘弁してほしい。


マーリンが言うには、俺は徐々に人間から亜人へと変化していってるらしい。

その証拠に昨日俺の体に急激な変化が起き、その証拠に突然俺の歯が抜け生え変わっちまった。

鏡を見せられた時には真剣<マジ>でビビったな。

しかも、全部の歯が八重歯の様に尖っていてそのせいで口の中を切ってしまい血の味を堪能する事になったのだが、

数十分もすると口の中が切れなくなった。

これが亜人の”超回復”って能力らしい、この能力は名前の通り怪我の回復が速く治るのと

一度受けた攻撃にはそれなりに耐性が付くらしいが…どうやら本当だった様だ。

試しにマーリンからナイフを借りて軽く手に傷をつけてみたら数秒したら傷が無くなった時はビビった。

他にも亜人には色々な能力があるらしいが、それは各種族ごとに違うらしい。

まぁ、昨日は突然の頭痛と吐き気で気が動転したり、歯が全部生え変わっちまったり目がウサギみたいに真っ赤になっちまって、

やっぱ夢じゃなかったんだなって思ったりしてたら

マーリンに


 「素晴らしい”緋色の瞳”ですね」


とか言われたんだが。


(さすがファンタジーの世界、速くも俺に中二な設定を加えてきやがった。)


とか思ったが、一応だが俺はまだ人間のつもりだ。

半分亜人とか言うのになっちまったからって簡単に人間を止めたとは思えない。

その旨<むね>をマーリンに伝えたら着替えと一緒に黒い眼帯を貰った。

なんでもこの眼帯を右目、つまり緋色の目の方にすれば亜人化を止めれるらしい。

これまた中二っぽいアイテムが出てきて正直コイツ趣味なんじゃねぇか?

とか思ったがこんなファンタジーな世界じゃあ多少中二なのが普通だと納得する事にした。

まぁ、あんまりそう云うのが嫌いな訳じゃないしな。

男の子なら一度はファンタジーな世界でカッコいい勇者になりたいとかは思うだろ?

………今もそう思っているかは定かではないが。

正直、こんな眼帯とか赤い目とか中二な設定は少し恥ずかしいな…

それに、オマケに驚いたのがマーリンから渡された着替えだ。

ファンタジーとか云えば中世のヨーロッパ的な服装を想像してたんだが、

これは………


 「合羽<かっぱ>!?」


合羽と云っても一般的なレインコートとかああ云うのじゃなくて

これって思いっきり時代劇とかに出てくる渡世人<とせいにん>とかが着ている布でできてる合羽だ…

それにこっちは


 「脚絆!?」


これは着物だし、草鞋<わらじ>に被り笠<かぶりかさ>までありやがる!!

何だこの時代劇セットは!?

まさか、俺にこれを着ろって事なのか?






はい結局着てみました………

ふっ!!俺が毎日の水戸黄門を見ていなければ着るのに苦労しただろう。

って云うか着方はこれで会ってるのか?

すげぇー不安なんだが…

まぁ、取りあえず俺の格好は足元から



草鞋…これはみんなも知っている藁<わら>でできたビーチサンダルの様な形をしている物を想像するかもしれないが、

アレは草履<ぞうり>と言い、草鞋は前部から長い「緒<お>」が出ており、

これを側面の「乳<ち>」と呼ばれる小さな輪およびかかとから出る「かえし」と呼ばれる長い輪に通して足首に巻き、

足の後部<アキレス腱>若しくは外側で縛るものである。

まぁ、簡単に言えば草鞋は草履よりもしっかり足に固定するから長距離の移動には良い物なのだ。


足袋<たび>…要するに靴下だ。

ただ、草鞋や草履を履きやすいように足の親指と差し指の部分で袋が2つに分かれている物の事だ。

因みに色は黒だ。


股引<ももひき>…簡単に言えば、腰から踝まで、やや密着して覆う形のズボンだな。

履き心地は悪くない、色は藍色だ。


脚絆<きゃくはん>…脚絆とは、脛の部分に巻く布や革でできた被服で。

活動時や長期歩行時にズボン等の裾が障害物にからまったりしないようズボンの裾を押さえ脛を保護し

、足の鬱血を防いで血行を良くする等の目的がある。

日本では江戸時代からひろく使用されてたらしい。

色は紺色だ。


着物<きもの>…コレは説明しなくても分かるだろうから説明ははぶくが、紺色の着物はなかなか落ち着いた感じで好きかもしれん。


手甲<てこう>…汚れ、外傷、寒さ、日射などから肌や体を守るために、上腕から手首や手の甲までを覆うようにして装着する革や布で出来た装身具のこと。

手首に固定する際は縫い付けてあるひもか小鉤コハゼが使われ、手の甲には、中指側に縫い付けられた輪を通して固定することが多い。

よくファンタジーの騎士とかが装備しているのがあるが、アレは手甲<てっこう>って言って手甲とはまた別物だ。

防御力的には手甲<てっこう>の方が高いんだろうが、手甲<てこう>の方が軽くて動きやすいだろう。

俺の手甲<てこう>は唯の藍色の布だから防御力は期待しない方が良いだろう。


合羽<かっぱ>…江戸時代に使われていたマントの様に羽織るタイプで藍色の布で作られている。


って感じになっているが、全体的に青系の色で統一されているな………






それから俺はマーリンに教えてもらった通りに近くの村”ピーツラ”に歩いている。

俺の歩いてるこの森は”レートナンド”って場所でRPGで言うラスボス前のダンジョン的な場所…

つまりLv1の勇者なんかが入っちまったら即死確実な場所なのである。

しかし、今の俺は半分人間、半分亜人の状態でいきなり強くて最初から的な状態なんだが

そんな状態でも焼け石に水らしい………下手にエンカウントすると死ぬよな?

俺に襲い掛かってきた熊みたいな化物もこの森では弱い部類に入るらしい

それに、この森の深部にはラスボスもビックリの怪物がたくさんいて現地住民も森には近づかないそうだ…

現地住民の皆様はよくこんな化物のいる所に住んでいられるな?

俺ならビビってこんな場所に住めないな、新しい物件を探すのを全力でお勧めする。


兎に角だこの森にはとんでもない怪物がゴロゴロいるのには変わりない、

それに加えこの森には毒を持った植物や虫もいるらしい…

正直、こんな場所からサッサと出たいんだが…

あのまま村まで突っ切ると森の中心部にたどり着いてしまうらしい、そこには災害Lvの怪物がいるそうだ。

災害Lvとかどんな怪物だよ!?

だが、遭遇率もあまり高くないが出会った瞬間にゲームオーバー確定になってしまうっていうんだからな、

俺は渋々森を迂回して歩いている訳だ。


これが、これまでの道筋って事だ。

後、俺は魔術とかいうとんでもをマーリンから貰った訳なんだが、

俺の右腕の刺青<ルーン文字>は普段の状態では見えないらしい。

というのも今の俺の右腕は普通の腕に見えるのだが、魔術を使おうとすると刺青の部分が赤く光る。

そんでもって俺の属性は火らしい、これで俺もファ〇アーやメ〇とか言って火を飛ばせると思ったんだが

このルーン文字はルーンに魔力を通すだけで発動できるが火を飛ばしたり出来ないらしい…

一体何ができるんだって感じだが何とビックリ手から火炎放射器って感じなんだが…

コイツは何かの嫌がらせなのか?

何で魔法なのに呪文が飛んでかねえんだよ!!

………魔法じゃなくて魔術なんだっけか?

兎に角、この魔術には工夫が必要の様だ。

取りあえず、俺は魔術を使えるようになったんだが、それにあたって魔力ってモンを感じ取れる様になった。

どんな感じか説明しろってなると難しいんだが、気づいたら使えるようになっていたとしか言い様がない。

そうだな………例えるならば、


 ある日突然、耳を動かせることに気付いたって感じだ。


うん!言っている自分でも意味が分からん!!

何となくだが魔力ってものを感じられるようになった気がする。

まぁ、兎に角だ一寸<ちょっと>欠陥品気味だが魔術<火>を手に入れた俺は遂にタバコを吸えるのだ!!

って言う訳で、二日振りのタバコで上機嫌になりながら歩きタバコして目的地に向かってる俺。


 「タバコ、これぞ人類の至極の一品だな!」


俺はそんな親が聞いたら泣くような事を呟きながら村を目指すのだった…






ハイ!!………と現実逃避は此処までにして

俺の目の前では赤やら緑やら黄色とかの威嚇色<いかくしょく>の花弁に緑色のしっかりとした茎、ウネウネと気持ち悪い動きをしてる根?

イヤ…こう云うのを触手って言うのか?

真剣<マジ>で気持ち悪いんだが、兎に角俺の目の前にはデッカイ花の化物がいる。

この花の化物が人間に害のないモノなら良いんだが…


「ギャシャーーーーーーーーーーーー!!!!」


無理だ、明らかに無理だこんな『ギャシャーーーー!!』とか雄叫びを上げている摩訶不思議な化物が害のない生物の訳がない

って云うか何で植物が雄叫びなんてあげてんだよ!可笑しいだろうが!!

全くこんな事なら武器とか貰っておけば良かったじゃねぇか、

まったく………


 「ふざけんじゃねぇぞ!ファンタジー!!」


俺は花の化物を睨み付け右腕に有りっ丈<ありったけ>魔力を刺青<ルーン>に流し魔術を発動させる

花の化け物も俺を捕えようとしてるのか、根を伸ばして襲い掛かってくる


 「何が何でも生き残ってやるからなコノヤロー!!」


俺は花の化物に向かって行った………





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ