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ロスタイムレコード  作者: 天見レイ
ニセモノ魔王に鉄槌を
7/25

任務の内容と横領者

「よし、で、その相手は誰だ?面倒な相手でないことを祈るけど、そうじゃないでしょう?」


 私はシンプルにそれを聞いていなかったので、ニアに聞いてみる。正直気は進まないが、前回の報酬ごと取り戻すため、全力でやらなければならない。


「今回の相手は、元魔王軍幹部、アトラーだ。元魔王軍幹部の中で、処分の対象となっているものの中ではこいつが最後だな」


「ふーん。ところで、他に魔王軍の幹部クラスの残党って誰がいるんだっけ?」


「幹部クラスならあと一人、吸血鬼がいる。魔王軍幹部の中で一番こいつが若かったな。あとは魔王も生きているはずだ。最も、未だに生きている以上の情報はつかめないんだが」


「…ちょっと待って、魔王が生きているの?」


 その言葉に反応したのは、私の隣りにいたカルラだった。少し、じゃないな、かなり驚いた様子でニアを見ている。


「そうだが、何か?別に驚くことでもないだろう?」


「いや、でも、その時の魔王は死んだって言われているけど」


 私は少しため息を付く。


「はぁ、あんたなら気づいていなくても違和感がないとは思っていたけど、本当に気がついていないとはね」


「え?どういうこと?」


「魔王は死んでいない。死んだことになっているだけだ。今はどこかで封印されている。それがいまだ見つかっていない。それに、そんなものが利用されたりしたら大問題だろう?現にそういう魔法は開発されているしね。国が見つけるまで、この話が公になることはないだろうよ」


「なんでよ?その真実を国が伝えないのは、不平等じゃない。」


「不平等でも、この国、いや、この世界はそういうもんだ。認めたほうがいいぜ?せめて自身が有利に立ち回れるように」


「…そうね。この話には、深くかかわらないことにするわ」


「うんうん。ところでカルラ、私お腹すいたなー。なにか作ってくれないかなー」


 空を見ると、もう日は真上に登り、日の光を打ち付けてきていた。


「う、わかったわよ。なんか食えそうなもの持ってるかしら?」


「ない。」


「はぁ、じゃあ取ってきなさい。私は少し準備するから。」


「はーい。じゃあ、ニアも行くよ」


「…なぜ俺も?」


「え?死神でもご飯は食べるでしょ?」


「いや、そうだが、それとこれとは話が」


「食べるでしょ?」


 一人でやるのは苦痛なので、ついでにニアも巻き込んでおく。全く、最初から協力すればいいものを。


 そんなこんなで、私達は昼飯の準備を始めた。








 同刻、前回の戦闘地点にて






「はぁ、全く。様子見でいいっつったのに、なんでやられてくるかねぇ?」


 こいつが使えるとは思っていなかったが、相手は人間だ。長物の武器も持っていない、少し魔法が使えるだけの人間。少なくとも、私、セルから見て、そうとしか思えない人間だった。


「っ、すいません、セル先輩。でもあいつ、私の攻撃が当たらなかったんです!信じてください」


 その言葉に、私は少しいらだちを覚えた。


「当たらなかった、だぁ?当てる気がなかったの間違いだろ」


 ジャラジャラと、持っている鎖鎌を少し引きずりながらそいつに近づく。


「ったく、お前のせいで、少し作戦が狂っちまった。お前はもう用無しだ」


 そしてその目障りな私の部下だった彼の首元を、持っていた鎖鎌で引き裂いた。だが未だに機嫌は直らないままだった。


 その直後、背後から僅かに気配を感じ、とっさに身をかがめた。


 どうやらその反応は正解だったようで、背後に振り向くと、こちらに銃口を向けている少女がいた。


「あれ?避けられた?へぇ、死神ってそういうことにも長けてるんだ」


 私がその気配に気がつけなかったことから、それなりの実力はあるのだろう。

それを見て、私は自然と頬が緩んでいた。


 久しぶりに、楽しむことが出来そうだ。

 死神は、気配を読むことに長けています。その中でも抜きん出ているものは、相手の気配で実力だけでなく、死期や感情までも読み取ることができるらしいですよ。恐ろしいですね。

 セルは女です。女死神もちゃんといます。まあ、実力者になるものは少ないけど。女死神は主にこんな前線を貼るもののほうが少ないので、男死神よりも遭遇率は低いです。

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