死神からの依頼 中編
少しだけ、遊ばせてもらおう。
そう考えた数瞬後、私の頭上に鎌が振り下ろされる。
そしてその鎌が、私に迫り____
地面に突き刺さった。
「は?」
「敵に背後は見せちゃだめよ。こんなふうになるからねッ!」
私はその死神にナイフを投げる。もちろんかわされることは想定済み。その隙を利用して奴に近づく。そこから持っていたナイフを取り出し、ヤツへ攻撃を放つ。
奴はそれを鎌で受け、連撃をかまそうとする。だがそれを、私は正面から弾き返す。その作り出した隙に合わせ、その鎌を手から弾き飛ばす。
「ゲームセット、ってことでいいのかね?」
私はやつの首筋にナイフを当て、木の幹にそいつを押し付ける。それほど楽しめなかったが、まあ、新人の死神なんてこんなものだろう。
「___何者だ、貴様?」
「んー、君の上司の友達?そんなところかな?」
間違ったことを言っているわけではない。実際奴の上司との仲は良好と言える。悪いやつではない。好きではないが。
その数秒後、背後から金属音が聞こえ、その方向に振り返る。もう少し話を聞きたかったが、仕方ない。
「仕方ないか。そこで大人しくしててね。多分、後で迎えに来るからさ」
そう思い、奴を魔法で木に縛り付け、金属音のした方に向かう。
_____その金属音がなる数分前
私は優火に死神の相手を任せ、木陰に座って休んでいた。それにしても、死神か。始めて見た。命を張る仕事である騎士団といえど、見たことがあるのは数名だろう。
だが、優火がそれを見たのは、いや、相手取るのは、初めてではないのだろう。
「おい、お前、優火の友人か?」
そんな事を考えていた最中、背後から話しかけられる。一切感じていなかった魔力の気配を、背後から感じる。
それは異質で、まるでこの世のものではないような、私達の師匠とは違う形で洗練された、恐ろしい魔力だった。
反射的に距離を取り、腰にさしていた剣に手を掛ける。本能が見たこともない恐怖に警鐘を鳴らしている。
「___あなたも、死神?」
眼の前にいた、大きな鎌を構えた彼に、そう質問を投げかける。
「質問に質問で返すんじゃない。だが、そうだな、俺は死神ではあるが、無論ただの死神ではない」
その先に紡がれる言葉は、私の恐怖に対する答えだった。
「最強の死神さ!」
・詳しい説明は次回に回しますが、魔力にはそれぞれ性質があり、その使い勝手も違います。
・この戦いで優火は一瞬魔法を使っています。詳しくは後でやるので許してください。