間章 ある親友のお話
私は、魔法が大好きだった。
きっかけは、幼い頃に聞いた、あるお話だった。
それは、魔法でみんなを救った魔女のお話。飛んだり跳ねたり戦ったり、魔法というものは何でもできるのだと、読んでもらった当時は思っていた。
だが、現実はそう甘くなかった。
初めて魔法に触れたのは6歳ごろ、父親がもらってきてくれた古い魔導書だった。
読めば魔法が使えるのだと、はじめは思った。だが開いてみると、まず字が読めない。古すぎて言語が違うのだ。父や母に聞いても知らないとしか答えは返ってこなかった。
家が貧乏で、魔導書を買うお金がなかった。だから、わからない字を必死に読もうとした。
読むことができないまま一年がたち、学校でも魔法を学ぶ機会があった。
だが、ここで魔法というものの事実を知ってしまった。
魔法というものには、生まれつき適性がある。
そう、何でもできる魔法使いなど、存在しないといわれたのである。そして私の適正は、無し。
魔法を使うのは難しいだろうと、正面切って言われてしまった。
でも私はあきらめなかった。あの魔女だって、最初は魔法を使えるわけではなかったから。
さらに一年後、あの時もらった魔導書の言語が判明した。
古代エルフ言語、というらしい。いまでは言語は国によって統一されているが、昔はさらに種族によって異なっていたらしい。
そしてその魔導書を読み進め、魔法についての多くの知識を得た。
魔力を魔方陣に流し込み効果を得るものを魔法と呼んでいること、魔方陣自体は誰にでも組めること、魔法を使うためのコツ、魔力を切り離す方法なんてものもあった。
そして、ついに私にも魔法が使えるようになった。初めて使ったのは、明かりをともす魔法。だが、はじめは安定せず、すぐに消えてしまった。だが、魔法を使えたという事実が、私の心を躍らせた。
さらに年月が経ち、念願であった魔法学校の受験をする頃には、その本のほぼすべての魔法を使えるようになっていた。
勉強はもちろん怠らなかった。といっても、魔導書の解読や魔法の仕組みを理解するのに比べたら、よっぽどましだったが。
そしてついに、AWS魔法学校に、首席で、合格することができた。
努力で未来は変えられる。
もっと魔法を学びたい。
私の心は、そんな思いで埋め尽くされていた。




