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ロスタイムレコード  作者: 天見レイ
ニセモノ魔王に鉄槌を
26/27

間章 貴族たるもの


 俺は、貴族として育てられた。


「我々には圧倒的な力がある。だから私たちは平民どもを支配し、上に立つべき存在なのだ」


 父上がよく使った言葉だ。権利平等、身分廃止。それが実行されてしまったこの国は腐っている。そのため、我々は上に立たなければならないのだと、ずっと教えられてきた。


 俺には才能があった。


 ほかの人よりも早く、多くの魔法を覚えた。


 剣技だって、一年で周りに敵う者がいなくなるまでに成長した。


 勉強だって、ずっと一番だった。


 でも、父は褒めてくれなかった。当然だ。できて当たり前だといって、俺の成果を評価した。


 だから、一番でなくなったとき、父は私を軽蔑した。


 AWS魔法学校に入った時のこと、同族ではない、平民に、主席合格の座を譲ってしまった。


 その時から、父は私に対する態度を変えた。


 なぜできないんだと罵倒を浴びせられ、暴力を振るう日もあった。


 貴族として、上に立たなければならない。


 はじめは足りないのだと思って、必死に努力した。


 だが、()()()()


 どんなに努力を重ねても、彼女にはかなわない。




「憎いんだろう?」


 ある日の夜、そんな声が聞こえた。いやにうるさい雨の日だった。


「貴族である自分を負かした女が、それに与する弱者どもが、のうのうと生きているのが」


 ああ、そうだ。殺してやりたいくらいには。


「壊してしまえばいいじゃないか」


 ああ、なんで思いつかなかったのだろう。




 殺してしまえば、すべてが終わる。




 だから俺は、俺を取り戻すために奴を殺すんだ。


 雨は、いつの間にか止んでいた

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