影師
「______帰ったかな」
カルラが帰ったことを確認し、私はイヤリング型の通話用結晶を耳につけ、ある人物と連絡を取る。
「もしもし、影師くん?いま暇?」
「______あんたか。今回は何の用だ?」
「前に頼んだ情報の確認と、新しく仕事がある」
「______報酬は?」
「ツケで」
ツケと言っているが、金を払う気はない。誰だって恩師に金をせがむような輩はいないだろう。
「_____はぁ、仕方ない。わかったよ。確認するからちょっと待ってろ」
「わ〜い助かるぅ〜。あ、たまにはこっちに顔出してね。情報のすり合わせとかしたいし」
「わかってるよ。_____で、まずは情報から伝える。
王都にいる魔族の情報についてだが、今はもう、ほとんどいない。住んでいたものも、どこかに行ってしまったな。王国からの招集があったらしい」
「そうだね。見かけることもなくなったし」
「次に、そっちの森の死神の出没率が高まっている。おそらく原因は、悪魔の処理のためだろうな。まあこれは、それほど気にしなくてもいいが」
「まあ、あの社長に思うところはあるけど、悪い人ではないしね」
「最後に、これは直接は関係ないが、王都内にあるいくつかのテロリスト集団が動き始めている。名前は確か___暗黒騎士連合だったかな。王都転覆を狙っているらしいが、リーダーの尻尾は未だにつかめない」
「あの連中は何考えてんのかわからんからね。なんかとんでもないことをやらかすかもしれないし」
「これで全てだ。で、新しい仕事は何だ?まさか任務への同行か?」
「同行なんてさせるために連絡したんじゃないよ。第一、あんたなんか戦力にすらならないでしょ。そのハイドスキルには目を見張る物があるけどさ」
「返す言葉もないな・・・で、結局何なんだ?」
「そうだね、今後王都でテロが起こる可能性が高い。君にはその決行日と人数、可能ならば相手の拠点の数を調べてほしい、できるでしょ?」
「______相変わらず無理を言うんだな」
「でも、出来ないとは言わないでしょ。それに関しては任せたよ。信頼してるから」
「そうか。報酬は払えよ。師匠」
「はいはーい、それじゃあね」
そう言い私は通話を切った。
注釈
・彼は情報屋です。一応。ただし副業としてやってます。
・ここで呼ばれている影師という名前は、コードネームであって本名ではありません。
・師弟関係にあったので、当然彼女にもコードネームはありました。コードネームは「時影」。