戦いの始まり
魔王城のエントランスについた私達の目に入ったのは、阿鼻叫喚の光景だった。
鼻を突く鉄の匂い、転がっている腕、誰かすらも判別できない死体、そしてそれも、焼かれていたり、バラバラにされていたり、様々だった。だが、別に不思議な光景でもなんでもなかった。あいつらでは魔王、いや、この様子だと、その部下すら倒せなかったのだろう。
「____あーあ、だから行くなって言ったのに。」
あいつらへの愚痴をこぼしながら前に進むと、ある人影が見えた。
「…何だ?生き残りか?」
私は彼の顔を見て驚いた。なぜならそれは、本来生きているはずのない人間なのだから。
「ジャック!?死んだはずじゃ」
五年前、卒業式の日に起きた事件だ。その日、卒業式の会場が襲撃された。死者は三名、内二人は学生、その日卒業するはずだった、私の親友。そしてその事件を引き起こし、私の親友を殺したのが、この男というわけだ。そして私との戦闘の末に、命を落とした。そう、他ならぬ、私の手によって。
「久しぶりだなぁ、ロザリア。まさかこんなところで会えるなんてな」
_____同刻、魔王城地下牢にて
「…どこだ?ここ」
私は、どこかもわからない場所に飛ばされていた。あたりは暗く、ほぼ何も見えないような状況である。
「カルラ、起きてる?」
「起きてるよ。少し頭が痛いくらいだ。にしても、ここどこ?」
彼女が起きているのが唯一の救いだが、危機的状況には変わりがない。だが、これで明かりは確保できるだろう。
「カルラ、剣を出してくれる?辺りの様子を知りたい」
「あいよ。ほれ」
そう言い彼女は剣を取り出すと、その剣に魔力を流し、光らせる。本来は炎の魔力をまとい、威力を上げるために使うものだが、松明などの明かりがないときの代用手段になる。そういうふうに考えたら、意外にも便利なのだ。
「んじゃ、少し探索するか。あいつらとも合流しないといけないし」
私達は、彼女らと合流するため、探索を始めた。




