王都騎士団の副団長
ニアからの依頼を受けて数日後、ニアを含む私達三人は魔王城城下町へと続く道を歩いていた。すると背後から、できれば感じたくなかった魔力を感じた。
「カルラ、気付いてる?」
「ええ、後ろに三十名ほど、敵意と警戒ダダ漏れの、あの馬鹿な騎士団らしい魔力ね」
私達はそう言い、後ろに振り向き、その魔力の正体を待った。
「おやぁ?あのアーサー騎士団の団長様がこんなところで何をしているんですかァ?」
現れたのは王都一の治安部隊、王都騎士団の、ガラン副団長だった。
「そっちこそ何しに来たのかしら?そんな大層な人数連れてくるようなことがあるとは思えないのだけど」
そう言いカルラは彼を睨む。彼女が言っていることはごもっともだ。副団長なんて立場の人間ががわざわざ部下を引っ提げてまで来る理由が見当たらない。アーサー騎士団ならともかく、奴らは忙しいのだ。
考えられる理由としては、暴走か、それとも、裏切りか、はたまた、何かしらのことが王都の中であったのかもしれない。真偽は不明だが。
「あなた達も知っているでしょう。魔王の粛清です。でなければ、わざわざ私が出向いたりしませんよ。ですので、道を開けてもらえませんか?」
ガランはそう言い私達に道を開けるよう促した。私とカルラは渋々その言葉に従ったが、ニアは退かずにそこに立っていた。
「?早く退いてくれませんかね。邪魔なんですが」
そこでニアは、彼から感じ取ったであろうある事実を告げた。
「お前は馬鹿なのか?お前らが行っても死にに行くようなものだぞ?」
「は?」
その言葉に、ガランは怒りの表情を滲ませる。
「警告ですか?私に?いい度胸をしていますねぇ。ガキのくせに」
その言葉に、ニアは一瞬青筋を立てた。
「いいですよ。私は絶対に死にません。その言葉、今度あったら覚えておいてくださいね」
そう言うと副団長サマは、ニアをすり抜けてその道を進んでいった。彼らが行き去ったあとに、小さな声でニアが言った。
「…もう二度と無いと思うがな。雑魚が」
その言葉には、明らかな怒りが感じ取れた。そして同時に思った。あいつが死ぬことだけは確実だろうな、と。
そこから数時間後、私達は魔王城城下町前の門である人物たちと合流した。




