光の魔法使い
美咲さんが起きたあと、彼女の作った朝食を食べた。変なものは入っていなかった。
「美咲、彼女に何をしたのかしら?」
朝食を食べ終えたあと、ロゼリアさんは美咲さんにそんなことを聞いていた。
「…手は出していないです。断じて」
「本当に?」
「…ええ、もちろん」
美咲さんは目をそらし、焦ったような表情を見せている。自業自得だと思う。できればもう二度と巻き込まれたくはない。
「はぁ、今日からあの人とも合流するんだから、しっかりしなさい。何ならもう来てもおかしくはないと思うのだけれど。そんな感じで大丈夫かしら?」
「大丈夫です。問題ありません」
「…あの人って誰ですか?」
「ああ、まだ話してなかったわね。その人は____」
するとそのタイミングで、背後から声がかかる。
「私だよ」
驚いて背後を振り向くと、杖を肩に担いだ、少女体系のエルフがそこにいた。
私は彼女を見て、少し驚いた。その魔力が純粋な光属性のものだったからだ。光属性の魔力を持っている者は少ない。もちろん、その属性に魔力を変化させることはできるが、生来それを持っているものは、数えるほどしか聞いたことがない。
私が知っている中では、これが二人目だ。
「おはよう、フォーレイ。寝坊はしなかったのね」
「うん。ところで、彼女は?」
そういい、そのエルフは私の方を指差す。
「彼女は優火の弟子よ。時羅だから、トキとでも読んで頂戴」
「じゃあ、トキ。はじめまして。私はフォーレイ。魔法学校の講師兼、魔法研究室の室長だよ。よろしくね」
そう言われて差し出された手を、私は黙って握った。
「…よろしくお願いします。」
そうして出た私の言葉は、少し恥ずかしげだった。
「じゃあ、行くわよ。魔王城まで。あいつらも待っているだろうし」
そのロゼリアが発した言葉に、私達は黙って頷いた。
「ロゼリア、こっから魔王城までどのくらいかかるんだっけ?」
「歩いて2日よ。ちなみに馬車等は用意されていないわ。」
そこから2日、紆余曲折ありながらも私達は魔王城に向かった。




