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ロスタイムレコード  作者: 天見レイ
ニセモノ魔王に鉄槌を
10/28

時羅VS外道死神

 辺りに銃声が鳴り響くと同時に、私はその銃を投げ捨て、小刀に持ち替えた。


 セルはそれを見て、こちらに鎌を投げつけてくる。片手で鎖をもち、もう片方の手で飛ばしている鎌をコントロールする。器用なものだ。


 私はその鎌を避け、軽々と接近する。が、相手の間合いにたどり着いてようやく気がついた。彼女の足元に、魔法陣が展開されていたことに。


 それに気が付くと同時に、その魔法陣が光り、飛ばしていたはずの鎖鎌が彼女を中心として猛スピードで旋回する。旋回自体はそれほど長時間続かなかったが、その攻撃は私を狙ったものではなかった。


 その範囲内にあった木々が、一斉に吹き飛ばされる。幸いそれに巻き込まれることはなかったものの、巻き込まれたらこちらの負けは決まっていただろう。


「これで戦いやすくなっただろう?お嬢さん?」


 奴の表情は余裕に満ちていた。振り回している鎖鎌の空を切る音が、やけにうるさく感じられる。


「…お前との会話に付き合う気はない。とっとと失せろ」


「まぁ、そう切れるなっt」


 私は彼女が喋り終わる前に動き、彼女の間合いに入ろうと前方に飛び出し、ナイフを投げた。


 それは弾かれ、鎖鎌が飛んできた。私はそれを上に飛んで避けるが、それは失策だった。


 飛んできた鎖鎌が、急激に軌道を変え、私の体に巻き付いた。


「せっかちだねぇ。焦らなきゃ、もっと戦えたかもしれないのに」


 段々と巻きつける力が強くなる。焦りすぎていたと、今更になって反省する。だが腕は動くので、まだこれを続けることは出来そうだ。


「最後に言い残すことはあるかい?遺言くらいは聞いてやるよ」


「……この程度で勝ったと思うほど、君は馬鹿なのかな?笑わせてくれるね」


 セルの顔が怒りに変わり、巻きつける力が強くなるが、私は焦らず、指を鳴らした。


 瞬間、私は彼女の後方に瞬間移動した。


 バキン、と、セルの巻き付けた鎖の中から、金属が割れたような音が鳴る。


 その中から、ナイフだったものがバラバラとこぼれ落ちる。


「あ?…魔法か、小賢しい真似をしてくれるなぁ!?」


 舞台は揃った。あとは自分次第だ。


「さぁ、始めようか」


 私達の劇場を当てるスポットライトは、嫌なくらいに輝いていた。

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