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多田氷雨の作品集

さくら色の少女の花弁を…

作者: 多田氷雨


月明かりが煌々照る夜。


夜風のなかを、ひらりひらり。


さくら色の長い髪をひとつに纏めた青年が、ひらりひらり。


さくら色の袴を纏った、美しい青年。


夜風のなかを、ひらりひらりと踊る。


誰かを待つように、ひらりひらり。


すると、夜空からひらりひらり。


さくらの花弁が夜空からひらりひらりと落ちてきた。


青年は細くて白い美しい掌を夜空に伸ばす。


降り落ちてくる待ち人に両手を伸ばす。


ひらりひらり。


ふわりふより。


月明かりに照らされるさくらの花弁。


さくら色の少女の花弁カケラ


風に乗ってとおくの山々から、青年桜のもとへと会いに。


花弁カケラを散らし、青年桜に会いにきた。


夜空から降り落ちるさくらの花弁…


両手を夜空に伸ばす青年の掌に、ひらりひらり。


さくらの花弁は青年の手の中で指先になり。


指先から手のひらに。


手のひらから腕に。


肩、胸、腹、足…そして。


さくらの花弁は、さくら色の着物を纏った美しい少女に。


さくら色の青年は目を細め、さくら色の少女に微笑む。


さくら色の少女もにほりと、さくら色の青年に優しく微笑む。


少女桜と青年桜。


桜の花が咲く頃。


風に乗ってとおくの地から。


さくら色の少女がさくら色の青年に会いに来る。


恋慕うさくら色の青年に会いに来る。


さくら色の青年とさくら色の少女は手を重ねて。


冷えた夜風吹くなかを幸せそうに踊る。


くるくるひらひら…


ひらりひら…








今日、徳田さんが旅先の詩集内に「さくら色の少女」という詩を書いていたので、なんとなくその詩への返歌を書きたくなったのでした。


あなた様の刹那の時を下さり、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おはようございます。 とても良い雰囲気の詩なので、前の詩もこちらに掲載されてはいかがでしょうか(^^)
2022/03/09 08:08 退会済み
管理
[良い点] 返歌なんですか~! こんなやり取り、素敵ですね! 憧れちゃいます♪
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