第七章 計算外
鯖主の後ろから、トラちゃんが殴りかかる。
突然、僕の立っていた床が開いた。トラちゃんが成功したかどうかも確認できず、そのまま下に落ちていった。
下には牢のような物だった。数mは落ちたか。
数秒後に、トラちゃんも落ちてくる。
「っつ...なんだよ、不意打ちでもノーダメ?」
「とりあえず、この牢から出よっか。」
「そんな、出れるわけな―」
「けっこう簡単に折れた」
「は?」
多分これは人間用の牢なんだろう。俺は人狼だ。簡単に破れる。
「よーっし行こうぜ」
「はぁ...とりあえずあいつをなんとかする方法を探すか。俺はこっち行くから、あつはそっちな。」
「おっけ。」
トラちゃんが見えなくなった頃に、部屋を見わたすと、手紙のような物があった。
「PG様へ 貴方様の御研究されている資料を私達に頂けませんか。報酬はいくらでも」と...
PGって奴は研究者かなんかなのか?
部屋の奥へ進む。すると、そこにはまた檻があり、目の前には赤く塗られた、電車一両ほどの大きさもある機械。白のペイントで「AKGM」と描かれてある。
その横には机と、ノートがあった。そこには「PG」と書いてある。そいつの物なのか。
表紙をめくると、それはまるで日記のようであった。