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第二章 実験の苦痛
あいつに、口の中に何か入れられた。その後、すぐに奴は去る。
数秒間、何が起きたかわからなかった。
しかし、突然、身体中が痛む。
頭が叩き付けられる様に痛い
心臓が締め付けられる様に苦しい
身体が灼かれる様に熱い
肺が割られた様に痛い
炙られているかのように、身体中に苦痛が走る。
一秒が百年にも千年にも感じる。数時間は経っただろうが、来る時に空を覆っている朱は、今もなお空で頬笑んでいる。実際にはそれほど経っていないのだろう。
地獄の様な苦痛は、空が闇に覆われるまで続いた。
月も顔を出さず、薄気味悪く街灯だけが照らすこの街の中、とても寂しい物を感じる。
数秒後、それが何かすぐにわかった。空腹だ。
腹の底からの空腹に常に倒れそうになる。
ふと、街灯の横のカーブミラーに目をやる。
そこには確かに僕がいた。
ただし、その目は蒼く、頭からは明らかに人間の物ではない耳がはえ、腰からは獣の如く、多くの毛に包まれた尾が生えていた。
僕は、人狼になったのか。




