第十三章 存在意義
その霧に覆われた時には、アツの声は聞こえなくなっていた。
突然、霧の中から雨谷が出てくる。
「雨谷!来てくれたんっ」
「黙れ。」
「え...?」
「お前はもう人間じゃない。」
雨谷の雰囲気はいつものようではなかった。
「お前はあれだけ人狼を殺すと意気込んでいたのにそのお前がそうして人狼に吞まれるのか。」
「雨谷!僕は...」
「お前はまだ人間を喰っていない。だが、どうせ喰う。なら、喰われないように、お前とはもう共に居ないことにするよ。」
「雨谷!」
そう言い切ると霧の中に消えていった。
そして、ヘリオさんが出てくる。
「貴方は...私がまだ人であったというのに...後ろから刺し殺した...。」
「あれは、僕が!」
「"ただの人間"を殺す貴方の事は、もう同じ人間として扱えそうにありませんね。」
そして、また霧の中に消えていく。
替わって、翔くんとゆう兄が出てくる。
「俺を...命を懸けて護った...あれも嘘だったって言うのか?お前は...人狼と戦っていた癖に...」
「あっくん...私は信じてたんだよ...?だから...私は...」
「翔くん!ゆう兄!」
また霧の中に消えていく。
今度はトラちゃんが出てきた。
「あつ...お前まで人狼に成り下がったんだな...」
「トラ...ちゃん...」
「お前もここまで堕ちてこいよ..."人間を食い殺す日々"...何も辛いことは無い、何も考えなくて良い。ただ、自分の欲望のままに生きていくんだよ...」
僕は...僕は...




