ヴァンパイアロード・ある時の豪炎の魔女
世界は世界で繋がっているらしい
だから、人は言う
人は孤独ではないと、仲間が居ると
あの日の出来事は忘れないだろう
なぜ、解りきった答えだ
私は死を覚悟したのだろう
「ふっ、ここか・・・ アイツは!」
この日、この地に降りたったのは
少女、悪魔や天使ではない
いや、悪魔か... 似ているかも知れない
少女は目指す。かの王の元へ
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「お客さん、どうアル?」
「これを、買えってか?」
「そうヨ、このブタ買うだけで
ワタシ、すごく助かるヨ。どうヨ?」
「焼いて? それとも・・・ 刺身か?」
「ちがうヨ、コレはペットアルヨ
焼かない、切らない、食べないアルヨ」
「ペットか・・・・・」
「このブタ、売ってるの?」
「アイ、コレ買うのアル?」
「このブタ、メッチャ可愛いよ」
「そうアルか? ショボい養豚場で育った
ダメブタ、アルヨ? 買うのアル?」
「うん、可愛いからね」
「本当にアルか? 奇跡が重なって
普通のブタの80%オフで買ったブタアルヨ?」
「そんなに酷いの?」
「メチャ酷いヨ、売れ残りで食エない
品質も悪いヨ、ハッキリ言って・・・・
コレ、売り物じゃないヨ? いいアル?」
「ぜんぜん、いいよ・・・」
「そう・・ そこまでアイ、アルの・・・
いいネ、ブタただネ、お姉さんアゲルヨ」
「いいの!? やったぁー」
「おい、」
「えっ・・・ 何?」
「その豚は俺が買おうとしてたんだが?」
「でも、遅かったねお兄さん」
「・・・そうか」
「所でお兄さん、誰かに似てるね?」
「そうか? 間違いじゃないか?」
「いや、そうだよ」
「ブヒ?」
「待っててね、マツボックリ」
「・・・・観光客だろう?」
「そうだよ、君に会うまでは・・ ねっ!」
「守軽か・・・・」
守軽、基本的な戦い方は守りからの
カウンターだが、攻撃に転じると
隙のないスピードアッタカーとなる。
「そう。君が生み出したんだよね」
「そうだ、何か問題があったか?」
「これ、覚えるの簡単すぎ」
「小波十派、っ・・・・ 」
小波十派は守軽流のカウンター技で
カウンターとしては威力はないが。
大抵の攻撃は弾き反せる技で在る
「イタッ!」
だが、達人が使えば
小太刀も太刀へと変わる
「どうだ、諦めたか?」
「うん、諦めたよ・・・ 守軽はね」
それは閃光、いつか目の前にあったのは
彼女の顔だった、これが魔女足る理由だ
彼女はこの世界唯一の魔法使い。しかし
後で知った話だが・・・
彼女は魔法を使っていなかった。
【セカンドエクレール】
その速さは光を越えて一瞬の閃光となる
「どうしたの? 攻撃は?」
「はっ・・・はぁぁぁ・・・・・」
「ぐ・・ぅ・・・」
「ト・ド・メ・」
彼女から受けた傷は216回──
彼女に与えた傷は16回──
目覚める私には手紙があった
ゴメンね、気絶させちゃって・・・
でも、君も強かったよ・・・
今度、会うときが楽しみなぐらい!!
でもね、今度はないと思うんだ
マッボックリをよろしくね?
今度会うときにマッボックリ受け取るから
その時まで、お願いね・・・・
「そんな事も在ったな、マッボックリ?」
「ブヒッ! ブヒィィ!」
「いつ、帰ってくるか・・・・」
「ブヒ?」
「お前を初めて抱いてくれた親だよ」
いつか、会えるであろう彼女に
なぜか・・・ 会えないと感じてしまう
この心は私とは矛盾している・・・
ある時の豪炎の魔女─── END