表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/90

八話

緩くなってしまいました。

 




 なんかものすごいことを言われた気がするんだが。


「だから、1はむにつき4000円くらい貰えると思ってもらえればいいよ」

「変な単位つけんな!お前本気でいってんのか?」

「あたしのおかげで数億円くらい利益出てるって前に言ってたから。このくらいなんでもないよ」

「数億円って、、、」


 こいつに耳売ったらもう借金生活おわるんじゃね?

 え、どうしよう、、借金のことはバラしたくないけど耳だけ、、それで億かもしれないんだろ、、



「先輩聞いてる?今だけだよ?」

「う、、聞いてるよ。、、、あーーでもダメだ!!やっぱ体は売れない!!ふつうにこわいわ!」

「へ?」

「もう授業終わりそうだから行くわ!じゃあな!」

「せんぱっ、、、あ~あ行っちゃった。」


 結構いい交渉だと思ったんだけどなあ。

 先輩もすごくドキドキしてたし。もうちょっと押せばいけるかな。


「まあ、耳はむできたからいっか。」


 いつでも会えるなら急ぐ必要もないよね。









  ――――――――――――――――――








 天鳳の誘惑を耐え切って教室につくと、ちょうど授業が終わったところらしい。後ろから静かに入ろう。


「あ、慎遅刻じゃん〜」

「妹が起こしてくれなかったんだよ。しょうがないだろ」

「出たー!才原のシスコン!まあ天音ちゃんに起こされるのは正直羨ましい」

「まじで可愛すぎるからな」


 入った瞬間声をかけてきたのは昨日会った奈々と、学校だとだいたい一緒にいる鷹宮 海斗 (たかみや かいと)だ。


「喧嘩でもしたのか?」

「喧嘩っていうよりは、、、いやそうだな。珍しく喧嘩してちょっと話しかけられない感じだ。1ヶ月くらいは続きそうだよ」


 ナイスパス鷹宮!!これで遠回しに奈々に1ヶ月間は家に来れないって伝えれた筈だ!!


「え〜早く仲直りしてよ。慎の家行くの先になっちゃうじゃん。」


 一瞬おれの周りが静かになったきがする…


 お前モテるからぶっちゃけクラスメートの前でそれは言わないで欲しかった!!ほら右側の男子こっち見まくってるよ!!


「え?お前らそういう関係だったの!?」

「違うわ!!奈々が天音に会いたいって言ってるから今度来るか?ってなっただけだよ。てかお前わかってるのに言うなよ」

「いや〜やっぱムードメーカーたるものクラスを盛り上げないとね!このクラスカップルあんまいないしさ!」

「タチ悪いムードメーカーだな、、、」


 このせいで廊下歩いてる時に小言言われるんだろうなあ。


「あ、じゃあ私が行って仲とりもってあげよっか?だいたいの女子とはすぐ仲良くなれるよ」

「いや!!!兄たるもの妹とは一対一で対等に話さないといけないんだよ。だから仲直りはこっちにまかせてくれ。てことで、おれつぎの授業の宿題やるからまたな」


 そそくさーーっと窓際の席に逃げることに成功する。


「なんか才原変じゃね??」

「やっぱり?そんなひどい喧嘩したのかな」

「そもそもあいつが天音ちゃんと喧嘩とか世界滅亡よりありえないからな。」

「「…………………」」


 ボロを出さないことを意識し過ぎて若干いつメンからは怪しまれてしまったことに気づかないまま授業を受けるのであった。







 そんなこんなで全く集中できないままついに放課後を迎える。借金があるせいでどんな話も金に繋がらないか考えてしまってまともに取り組めなかったんだ。


 でも今日はなんとしてもやることがある!!

 それはもう一つの仕事の面接だ。アイドルマネージャーだけだとちょっと心もとないからな。


「今日もバイトあるからもう帰るわ。また月曜なー」

「えっまたバイト??」

「才原がバイトとか似合わねえ〜」


 なんか言ってるけど善は急げってことで目的地にむかった。


 しかし、その間に……




「なあ、土日才原とかクラスのやつ誘ってこの前のテストの打ち上げしないか?」

「別にそれはいいけど、、慎くるかな?」

「そこはおれに任せとけって!!あいつがなに隠してんのか、そこで確かめようぜ!!」

「……そうだね!!人数も多ければ気が緩んでくれるかもしれないし……私早速誘ってくるね!」

「おう!じゃ、また後で連絡するわ!」


 打ち上げパーティー開催が決まったのだった。







 ――――――――――――――――









「うお、、!さすがにでかいな」


 三光駅から約30分。

 いわゆる高級住宅街の最寄りで降りたおれの目の前には今めちゃくちゃオシャレな大豪邸が写っていた。表札には桜楽の二文字。ここが2個目にして最後になるだろう仕事先だ。


「ここ押していいのかな、、」


 ここまでデカイ家だとインターホンも立派で少しためらうんだよな。


「才原様ですね?」

「はい。、、っていつのまに!?」


 左後ろにいつのまにか黒服に包まれた女性がいた。


「桜楽家の周りは常に最強の警戒態勢を保っているのでネズミ一匹逃しはしませんよ」

「噂には聞いてましたけどさすがですね、、、。家もこんなでかいとは思ってなかったですし」

「お嬢様のためですから当然です。それよりお話は中で伺うのでどうぞこちらに」

「わざわざありがとうございます。」


 そうして家の中に案内してもらう。玄関には大理石が敷き詰められ、3階まで突き抜ける吹き抜けになっていた。、高そうな壺や絵画が並べられていてまさに金持ちの家って感じ。シャンデリアのある広いリビングをぬけてダイニングルームに着くとやっと目的の人を見つけることができた。


「ずっと待っていましたよ。久しぶりですね、慎!」

「言っても1ヶ月そこらですよ。でもおれも久しぶりって感じがします。先輩」



 おれの働きたい場所はこの桜楽家さくらけで、そこには飛びっきり綺麗なお嬢様がいる。

 ここまでくれば誰でもわかるだろ。おれの目的はその人の執事となって高時給を貰いまくるってことだ。受かるかはわからないけど多分大丈夫。


 だってその桜楽 朱華里 (さくらあかり)はおれの先輩で、半年くらい前おれを執事に誘った張本人だから。




ポイントブクマお願いしますーーー!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ