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四話

会話多くなってしまった、、、


次から展開が動き始めていきます!

みづらくてごめんなさい

 




「よし!読み終わったから愛咲もこっちきてくれー」

「……………」


 ガン無視を決め込んでるんだけど。


「愛咲!おれがうざいのはわかるけど練習終わり!打ち合わせしよう!」

「うるさいから黙ってて」

「いや、だからーーーーー」


 そこでおれは声をかけるのをやめた。

 なぜなら愛咲は無視してたんじゃなくてただ練習に必死だったのがわかったから。


 鏡と向かい合って一人黙々と練習する姿におれは少し見とれてしまった。


「なんだ。真面目なとこもあんじゃん」


 しょうがないからもう一回考え直すかな。


「それで?打ち合わせなんてできんの?」

「うおっ!…練習もういいのかよ?」


 急に話しかけられたらびびるわ。


「キリのいいとこだったからね。で、たった20分読んだだけで話せることあんの?」


 めちゃくちゃ下に見られてるなおれ、、、。

 まあ、そんな考えもすぐ変わるだろ。


「あるよ。ほかのマネージャーだけじゃなくお前にも思いつかないことがおれなら話せる。」

「っほんとにあんた変人だよね。新人のくせに生意気だし、それなのに自信過剰だし」

「変人でも自信過剰でもなんでもいい。まずそこに座ってからな」

「上から目線ムカつくからやめて」


 そう言いつつ座ってくれる。少しはおれに期待し始めてるのかもしれない。


「今回の司会は愛咲も知ってる通りめちゃくちゃいじってくる人だな。だから普通なら可愛く恥じらいながら上手いこと返事しとけばいい。」

「そんなの当たり前でしょ。はぁ〜、、、結局あんたただの新人じゃん」

「普通ならって言ったろ。ここからが本題だ。今日でその可愛いキャラやめるぞ。」

「え?」


 目が点になるとはこのことだろうか。今日はこんな人ばっか見るなあ。


「愛咲のその素の性格でこれからはやってくべきだ。今回はそのデビューって感じだな。」

「ちょ、ちょっと待ってよ!急に何言い出してんの!?キャラを捨てる!?私は可愛い系でここまで有名になってきたんだよ!?それを急になんて」

「なんだって変化は急だろ。誰かにフラれるのも、誰かが死ぬのも、人生が変わるのも」


 今日のおれみたいに。


「なんかあんたの例えネガティブすぎない?」

「そ、それはいいだろ!!とにかく可愛い系を演じることに限界がきたからお前もMOXに飛ばされたんじゃないのか?」

「なっ!?なんで飛ばされたこと知ってんのよ!!」


 やっぱり当たってたらしい。


「普通ならMOXでさらに飛躍したいとかそんな理由になるんだろうけど、お前の場合むこうで伸びてなかったから金で買われたんだろ?元事務所は金が入るからオッケーって感じか。MOXはお前をマネージャーとか周りの力で伸ばしていけるつもりだったけど、まさかお前の素が毒舌悪女で可愛いキャラを演じるのに抵抗を感じ始めてたなんて思ってもなかったんだろうな。」


 そう、これがおれが愛咲春と片山代表からの情報で考えた結果だ。


「今までのマネージャーも全員今よりもっと可愛くなるために髪型を変えろだの言葉遣いを変えろだの言ってきたんじゃないのか?」

「……ッなんで、…なんでそんなことわかんのよ!!」

「おれは今までのマネージャーとは違うんだよ。経歴も思考回路も、能力もな。いいか、素の部分ってのは生まれた時から何年もかけて、研鑽を積んでどんどん研ぎ澄まされてきた部分だ。ちょっと周りのアイドルとか女優から学んだキャラなんかじゃ到底及ばないんだよ。だから逆にいえばお前はそのちょっとした真似だけであそこまでの人気を手に入れてるんだ。素を出せたなら人気なんて今までの比じゃなくなるぞ?」

「でも!!、、でも、そういう毒舌っていうかキツい性格で売れてるアイドルなんてほんの一握りなのよ!?だからわざわざ受けやすい可愛いキャラでデビューしたんじゃない!!」

「それはそいつらが賢いからだよ」

「かしこい、、、??」


 頭の良さ(正確には頭の回転の速さ)とキツい性格で受けることの相関関係がよくわからないらしい。


「毒舌ってのはもちろん人を傷つける。その分嫌われやすいよな。でも好き好んで嫌われるやつなんてそういないから本音を言ってるイメージが強くなるんだ。自分に正直な人に誰もが憧れる気持ちはある。基本的にはその格好良さに惚れさせてるのが今生き残ってるやつらだな。」

「それはまあわかるけど、、、そんな簡単にはいかないでしょ。だってもし偉い人とか怒らせちゃったら詰むし、そういう人だけ優しくしててもファンには見抜かれわよ。」

「つまり、バカなやつら、まあここではアイドルだけにするけどバカなアイドルはそこでその2パターンしか考えてないんだよ。本来はそんな単純じゃない。」

「ど、どういうことよ」


 少し怪訝な表情をするも、それだけで画になる。さすがアイドルだな。


「っとつまり、毒舌キャラは1割だけしか素で毒を吐いてはいけない。これが鉄則だと思え。」

「、、、は??」

「後の9割は絶対に素で毒を吐くな。一般人が納得できる方向性の言葉を少しキツく言うくらいでいい。お前は常識ありそうだしその辺大丈夫だろ。」

「いやいや、、!意味わかんないんだけど!?」


 まあ解説は必要だよな。

 これ話してると自分の性格の悪さが滲み出てる気がする、、、


「バカなアイドルはさっき言った2パターンを主軸に後は決めた方に毒を吐き続けるだけだ。そんなんじゃ反感買いまくって終わる。賢いアイドルは1割の素の毒で毒舌キャラの持てる正直さとかカッコよさを出して、残りの9割は誰でも思ってることをキツく言って1割の毒のサブみたいな感じにするんだ。するとどうなると思う?」


「えっと、、、かなりキツイこと言ってるようなインパクトとかカッコよさを出せるけど実際9割は一般の人とたいして変わらない意見だから批判もそんなこないってこと??」


「飲み込み早いな!そういうことだ。単純に聞こえるだろうけど意外とこの1割と9割ができてない。あと1割を使うポイントも重要だな。司会とかサプライズゲストとかそういう人と絡む時に使うとなおいい」

「それ普通に嫌われない?」

「いや司会とかはただ闇雲にディスるやつがいたらすぐ切るけどちゃんとこっちが考えて言ってるのを理解してくれる人が多い。たぶん収録が終わったら『さっきのナイスタイミングだったよ』とか言ってくれるよ」


 アイドルで頭いい奴をすぐには切らないだろ。


「そうなんだ、、、全然知らなかった、、」

「まあそんな感じだから愛咲は素でいくべきだ。あ、あと衣装とかダンスについても言いたいことあるから集中して聞けよな」

「え、そんなとこまで!?この打ち合わせ何分やんのよ、、、」

「収録まで」

「長すぎるわよ!!!」






 結局おれと愛咲の打ち合わせは2時間以上続いた。






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