二話
今回はクラスの女友達ですね。
ちょっとシリアス長めだし終わり方変になっちゃいました。
とりあえずもうすぐアイドルでますよーー
家を出て最初におれは七花に向かった。ここは日本有数のビジネス街で、七つの大きなビルを中心として広がるエリアが花びらのように見えることから七花と呼ばれるようになった。ちなみにその一つ、「セカンドヒル」がおれの目的地だ。
「それにしてもこの駅きれいだな、、」
電車で七花に着くと別世界のような煌めき立つ建物がおれを迎えてくれる。
いつかはこういうとこで働くのかな、なんてうっすら思ってただけなのにまさか高校生で働くために来ることになるとは。
そんなことを考えながら華やかなビル群を見て歩いていると声をかけられた。
「あれ、慎だよね?なにしてるの?」
「えっ?な、奈々!?」
そこにはクラスで仲のいい橘 奈々が。
「そんな驚かなくても、、、それより一人でこんなとこに何しにきてるの?」
学校の友達とこんなとこで会うのは予想外だ。鞄に荷物結構入ってるし、、絶対怪しまれる、、、。
「なんていうか、友達に誘われてさ。そいつの兄貴が仕事手伝ってもらいたいらしくておれもバイト代出るからやることにしたんだよ。」
よし平然と嘘を言ってのけたぜ、、、!!もう才能あるかもしれない。
「へぇ、、。バイトかあ。珍しいね。」
「そうそう。てか奈々もなんで七花に?」
「私はお姉ちゃんが仕事終わりに奢ってくれるからわざわざ来たって感じ。」
「いい姉じゃん。おれも妹になんか奢ってやるかぁ」
天音とはよく買い物に行くからその時でもありだな。
「出た〜シスコンだなぁやっぱ。そんなに自分の妹が可愛いの?」
「別にシスコンじゃないけど、天音めちゃくちゃ可愛いからな?今度会ってみなよ」
「それシスコンだから。てか中学生と会うことなんてそんな無いって。妹ちゃん三光ら辺の中学?」
「全然違うとこだしそんな狙って会おうとしなくても、、、。おれんち来ればいるんだから今度、あ、いや」
やばい。おれ1ヶ月家帰んないんだった。無理じゃん
「え、家行っていいの??」
「いや、やっぱーーー「いいんだよね?」………はい。」
謎の圧力に屈した。
「そっかぁ、ふふ、楽しみだなあ」
どうやって1ヶ月耐え切ろう、、、、。こいつこういう遊び関係絶対に来るからなあ、、
「じゃあ約束だからね??あ、あとまだ時間あるからカフェ行こうよ。あそこの前から行きたかったんだ〜」
「おれ時間ないからいくわ!!じゃあな!」
とりあえず今はセカンドビルに行かないと。奈々は後回しだ。
「ちょっ!ちょっと!?少しくらいいいじゃんー!!」
そんな叫び声を無視しておれは全力疾走だった。
「もう。…カフェ嫌いだったのかな?でも甘いの好きって言ってたし…。まあ家に行けるからいっかな!お泊りとかなっちゃったりして……」
私は走り去っていくクラスメートを見つめながら一人呟く。
「よっし。妹ちゃんと仲良くなって外堀から埋めてこ!.......まっててよ慎」
橘 奈々。才原慎の女友達兼恋する乙女であった。
―――――――――――――――――
奈々から逃げて十数分、やっと着いたビルの中に入って受付嬢に話しかける。
「MOXの片山代表に呼ばれてきました、才原です。片山さんと会うので26階のマスターキーもらえますか?」
「か、確認を取りますので、少々お待ちください!」
おれが片山代表といった瞬間慌てだしたがそれも無理はない。
MOXは日本最大手のアイドル事務所であり片山代表といえばそれを立ち上げたような人だ。そんな人に呼ばれるおれはいったいなんなのか?超エリートのマネージャー?財界の有名人?そんな想像をしているんだろうが
否、ただの借金高校生ですごめんなさい。
「いえその必要は無いです。一分一秒でも惜しいんですよ。この一瞬で何億円もの金が動いてます。あなたにそれをドブに捨てる覚悟がありますか?」
「っ!?、、す、すいません!!」
そう言ってすぐにマスターキーを手渡してくれた。正直ザルすぎて心配になるぞ、、、。
それでもしっかりとマスターキーを手にエレベーターに入り、26階へ向かいながら心の中で受付嬢の人に謝っておいた。
動いてるのは会社の金じゃなくて、おれが返済する借金の方なんですけどね。
そうこうしているうちに26階に着いた。ここからが腕の見せ所だな。
片山さんは今日行われる予定のマネージャー決定会議に参加するらしい。これは年一回のMOX最大の社内イベントで新アイドルグループのマネージャーを決めたり、新しい見習いマネージャーを雇う機会でもあるというおれには願ったり叶ったりのものだ。なんとしてもモノにしないと、、
「って、あれ!?片山さん??」
ちょうどひとりで歩いてるじゃん!
………やるしかない。おれは天才おれは天才オレは天s、、
「あの片山さんですよね??」
天才っぽさ出せたわ。たぶん
「ん?そうだが君は、、?」
「自分今回のマネージャー志望のものです。僕、、いえおれが担当したら絶対に成果を出してみせますよ」
おれは自信に満ち溢れた顔で言ってのけた。
「やる気があるのはいいが、とりあえず書類を使って会議するわけなんだ。いい結果を待っていなさい。」
「書類なんて意味ないですよ。現場で動いて初めてわかることもあるでしょう。ってことでおれに今すぐチャンスをくれませんか?」
「……チャンス?」
「はい。今日決まるアイドルグループの新マネージャー特別枠におれを入れてください。片山代表の推薦で」
「私の推薦で君を、、、?」
おっと、雰囲気が変わった気が、、
「君のような輩に構っている時間はないよ。そもそも人に頼む態度がなってないんじゃないのか?そんな提案をOKするつもりは毛頭ないし、口だけなら誰でも言える」
たしかにそうだろうな。でも今のおれは覚悟がちがう。
「なら1..いや2億でどうですか?」
「なに?」
「もしおれが担当して一週間程度で目に見える功績をあげれなかったら2億払いますよ。俺からあなたにプライペートで」
魚が喋ったのを見たような、そんなとぼけた顔をおれにむける片山さん。
「なにをバカな、、、薬でもやってるのか?これ以上話し続けるなら警備員を呼ばせて―――――っ!?」
おれはカバンから一枚の紙を出した。
「この契約書本物ですよ。あとで秘書の人にでも確認してもらってください。それでどうしますか?」
そう、成果がでなければ2億払うという契約書を。
しっかりおれのサインもしてある。家で天音が帰ってくるまでに色々準備はしておいたわけだ。
頼む、、!!食いついてくれ、、!!
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