十七話
こんなに書いてるのにまだ物語3日くらいしか経ってないんですよね…
でも楽しんでくれると嬉しいです!!!
ピピピピッ!ピピ––––
耳元でなるスマホのアラームを止めて一度起き上がる。
今はまだ午前6時だが今日はここで起きておこう。
学校のある平日より休日の方が早く起きれるのは学生あるあるだと思ってるんだが。
軽く朝の準備を終えた後、すぐにホテルから出た。
昨日愛咲と別れて帰った後、鷹宮や天音からメッセージがきていたんだ。
『明日から明後日に前のテストの打ち上げしようぜ!終わったら遊ぶって話だったろ?』
「悪いけど、おれは今回パスで頼む!バイトが忙しくてさ」
『橘から聞いたけどそのバイト誰かの手伝いなんだろ?一回くらいサボっても大丈夫だって!』
「でも結構大事なやつなんだよ。やっぱ無理そうだわ」
『じゃあお前がクラスだと橘が一番可愛いって言ってたの本人にいうわ!』
「はぁ!?なんでそうなんだよ!?てか実際可愛いのは事実だろ」
『さすが三光高校っていうか、おれらの学校美人も多いじゃん?でもその中でお前は橘が一番なんだろ?』
「クラスな。学年とか学校で考えたらわかんねえよ」
『それでいいよ。来なかったらさりげなく才原が来ないって話題からそっちに持ってくからな!』
「まじでムードメーカーっていうよりトラブルメーカーだからなお前……」
『どうする?』
「土曜の夕方か、日曜の午前ならなんとかなるかも」
『おっけ!さんきゅー!!またな!!』
鷹宮とのメッセージはこんな感じだった。
そして天音はというと……
『お兄ちゃんの妹だよ』
「なんか猟奇的ななにかを感じるんだがそれ…」
『お兄ちゃんの妹は家に1人だよ』
「ごめんって。でもまだ全然手伝い終わらないんだよ
『お兄ちゃんの妹はご飯もお風呂も寝るのも1人だよ』
「いや最後の2つはふつう1人だから」
『…………むぅ』
『一回くらい家帰ったっていいじゃん!!!』
いつものに戻ったわ
「どっかで一回は帰るからさ!ちょっと待っててくれ」
『やだ!やだ!お兄ちゃんと一緒がいい!!』
その後も「ヤダ!!」と書いてあるスタンプが延々と送られてきたため、渋々おれは承諾してしまったのだ。
こんな感じで結局2つも約束ができてしまった。
今日明日は執事としてやることはまだなく、マネージャーとして会議に出るくらい。
たぶん最初で最期の緩い休みだな。
まずは朝早くから2日ぶりの才原家に向かっていた。
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「たった2日なのに結構久しぶりに感じるもんだな…」
それだけ濃密な二日間だったんだろうか。
天音には昼くらいから行くと言っておいたからまだ寝てるだろう。
いわゆるサプライズ的な感じだ。意外と我が妹、というか我が家はみんなサプライズが好きだったりする。
ゆっくり玄関から入っていくか–––––––
「お兄ちゃん!!!おかえりぃぃぃ!!!!」
「うおっ!!!な、あ、天音!?」
「妹の天音だよ!!」
待ち構えていた天音に抱きつかれた。
それと同時に中学生にしては大きいソレが押し付けられる。
いや、妹の成長を感じてる場合じゃない。
「え、おれ、昼から行くって言わなかったか!?」
「うん!!だから朝から待ってたの!!」
「いや……ん?どういうことだ?」
「だってお兄ちゃんなら朝早くから来てあたしのこと驚かせようとするでしょ??だから待ってたんだよ」
「ば、バレてたのか……!!」
「あたしもお兄ちゃんがサプライズ好きなの知ってるんだもん」
えへへとにやける妹を見て完全にしてやられたことに気づいた。
どうやら天音はおれが思ってる以上におれの妹だったらしい。
「お兄ちゃん、びっくりしてくれた?……嬉しかった?」
少し心配げに見上げてくる天音を見ながら、ああおれがサプライズできなかったことを気にしてるんだな、とわかった。
たった2日で変わることなんてない、可愛くて優しい自慢の妹だな
「ああ、びっくりしたよ!!!最高のサプライズだった!!」
そう言っておれも強く抱きしめ返す。
「えへへぇ、よかった………あ、本物のお兄ちゃんの匂いだ。くんくん」
「ははっ!本物ってなんだよ」
2日ぶりの再会を味わい終えたあとは、おれの胸に顔をうずめる妹を抱えながら才原家に入っていった。
「あ、朝ごはんまである……だと!?」
「あたしの愛情たっぷりな和食だよ!!……もしかしてお腹空いてない……?」
実際ホテルで軽く食べてきてしまったがそんなもの、今の一言で消化されたようだ。
「いや!!めちゃくちゃお腹減ってる!!!全部食べていいのか!?」
「うん!!どうぞ召し上がれ!!」
「いただきます!!…………うまぁぁあ」
さすが妹。もうどこの嫁に出しても問題ない、そう思わせるクオリティだった。
ああ……!お兄ちゃんが食べてくれてる…!!
あたしがつくった料理を……!!
中に何が入ってるとも知らないで…あんなに美味しそうに……!
あたしは自分が興奮しているのを隠すのに必死だった。
さっき抱きついた時の感触が、ぬくもりが、匂いがまだ残ってる……。
それを感じるだけで頭がおかしくなりそうなのに、加えてあたしのが入った料理を食べている兄がいる。
もう意識がもたない……。体の火照りが収まらない……。
「天音?どうかしたか?」
「えっ!?な、なんでもないよ!!美味しいかなって思ってただけだから!」
「そっか。めちゃくちゃうまいよ!!愛情が入ってるのを感じるぜ…」
その一言でまた体が跳ねる。
兄はその愛情がどんなものかも知らないことにも、背徳感を感じ、快感が体を駆け巡ってくる。
やばいよぉ……。もう、ダメかも……
「あ、あたしちょっとトイレ行ってくるね!!」
「おう。ゆっくりな」
顔でも洗って落ち着かなきゃ……
まだお兄ちゃんに意識してもらってもないのに、あたしがこんなんじゃだめだよ!
そう自分に言い聞かせる。
ただこの後もまだ兄がいてくれる。それだけで火照りが収まることは無かった。