十一話
次回で回想編終わりです
なんと日間ランキング2位でした!!!
嬉しいです!読んでくれた人ありがとう。
「あたしなにか言ってた?」
「ああ、天音さあの人のファッションおかしいみたいなこと言ってたろ?」
「あ!! 言ってたね!! アウターと靴合わなすぎってやつ?」
「それ。 あの人さ全身ブランドって感じだったから多分靴も高いと思ったんだよね。わりと運動しやすいっていうかスポーティな靴だったかな。」
「あまり服装は覚えてないですね。髪型とかにばかり目がいってしまいました。」
「たしかに髪型も派手でしたね…まあ、それであの服装というかキッチリした感じなら絶対そっちより革靴の方が合いそうじゃないですか?」
「あ、あたしもそこは賛成かな!! 雰囲気はカッコいい男って感じになりそう!」
「持ってなかったから履けなかったんでしょうか」
「そう! そこですよね! 社会人なら革靴は必須なのに、持ってないのはありえないはずです。」
「だから大学生と?」
「詳しくいうともっとありま…あ、クレープ終わった…。」
「お兄ちゃん食べるの早すぎ……。」
「スペシャルだぞ!? しょうがないだろ…。」
すると目の前に差し出される先輩の手。
その手には…
「生クリームデラックス……いります?」
さっきの倍は生クリームの入ったクレープがあった。
「ありがとうございます!! 詳しい説明も全部します!!!」
「ふふ! どうぞどうぞ。」
この先輩めちゃくちゃ優しいんだけど!! 餌付けされるのも悪くない…とか思うわ。
「えっと、それでその靴の話ですけど」
一口食べてから話す。
うん安定にうまい。
「あれだけブランドをひけらかしてアピールしてる人が社会人の必須アイテムに金を使わないわけがないんです。でも大学生なら頻繁に革靴を履くわけではないし、それよりも動きやすいスニーカーとかをたぶん買いますよね。」
「なるほど…それならある程度は説得力もあります。ファッションとかより自分の一番いい靴で来たってことですね」
「そうだと思います。たとえ似合う靴があっても金アピールをしたい大学生って予想になりました。 あとは大学名なんですけど…あそこは女子大除けば3つ学校があって海南大となんとか専門学校と西洋大があります。」
「お兄ちゃんよく知ってるね?あたし女子大の方もわかんないよ」
「私も知りませんでした…。」
地元のモテる大学を鷹宮と調べてた結果っていうのは黙っておこう。
「まあたまたまな。そこで次に気になったのはあの人の体格っていうか筋肉なんだよ。」
「体格……はいい人でしたね。スポーツから予想したとかですか?」
「ほとんどそんな感じです。太ももがめちゃくちゃついてたんで最初はサッカーとか足を使うスポーツをやってるのかなって思ったんですけどそれだとおかしいんですよね。」
「今の話だとまだ全然わからないんですけど…」
「あたしもわかんない!!早く教えて!!」
天音に関してはただ帰りたいだけだな…。
「海南大はサッカーかなり強くてそっちだと割と有名なんですよ。おれもそこはふつうに知ってましたし。」
「ふつうにって他はどうやって知ったの?」
「え……あ、いやまあ特に深い意味はないふつうだから。」
「ふぅん?」
なんか怪しんでる!?女の勘、いや妹の勘とでも言いたげだな!!
「本当になんもないよ!!まあそれでそんな強いとこの人が女遊びしてるなんて噂が立ったら大変なことになりそうじゃないですか。」
「なら専門学校のほうで決定なのでは?あまり強くなくてもサッカー部くらいありそうですし。」
「いえ、それはないですよ。だってたいして練習もしないのにあんな筋肉がつくわけがないですから。」
「それは……その通りですね。」
「それでサッカー以外のスポーツを考えたらちょうど男の人の手首あたりが見えて気づいたんですよね。バレーのセッターやってるんじゃないかって。」
「あのトスとかあげる人?」
「あ、もしかして手首に筋肉が付いてたとかですか?」
「そのまさかです。セッターは他の人に比べて圧倒的にトスしますからね。知ってる人ならすぐにわかりますよ。それにバレーは跳ぶスポーツでもあるんで、セッターと言えど太ももに筋肉がつくのも納得です。」
それで唯一バレー部のある西洋大学だとふんだわけだ。
バレー部の友達と話してたことがまさかこんなとこで生きるとは思わなかったけど、ナイス宮下!!今度クレープ一個くらいなら奢ってやるよ!!
「あのへんだとバレー部は西洋大にしかないともバレーの友達から聞いてたので、あとは話して当たってることを確信したら軽く注意したって感じですよ。」
おれの解説?のようなものを聞いて先輩は満足そうに頷いていた。
天音は話し終わったことがわかって嬉しそうにしている。帰りたいんだな…。
「なるほど。本当にすごいですね…!同じ高校にこんな人がいるとは思いませんでした!」
「それはこっちのセリフですよ。こんな綺麗な人見たら忘れないのに。」
ドスッ!!
「いった!!??何すんだよ天音!!」
「ナンパ男撃退した後にナンパしてるお兄ちゃんがいけないんだよ!!終わったんなら早く帰ろ!!」
「ナンパじゃないって…!まあクレープも食べ終わったしそろそろ帰るか…。」
「あ、それじゃあ最後にもう2つ聞いてもいいですか?」
「ふ、2つですか?まあ簡単なことなら…。」
となりの目が鋭くなる。クレープもらった手前断れないだろ!!
「いつもあんな風にだれか助けているんですか?」
「いやいや、全然そんなことないですよ!!今日はほんとにたまたまです!」
「クレープが食べたかったんだもんね?お兄ちゃんは」
「そういうことですはい。」
「あははっ!!そうですか!でもいいと思いますよ?自分の欲を優先するのは。」
笑われた……。男がクレープってそんなにおかしいか?
これから甘党言うのやめようかな…。
「えっとじゃあ最後です!あの男の人に彼女を大切にって言いましたよね?あれは店員のためですか?」
「えっと…まあ、はい。あれで帰られちゃったら店員さん少し気にするかなと思って。買ってくれれば和解した感も出てオールオッケーって感じじゃないですか?」
「やっぱりそうだったんですね…。良かったです。私の目に狂いはありませんでした…!」
「へ?」
次の瞬間、
「私の執事になってくれませんか…?」
本日二発目の手刀がおれのお腹にささった。