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十話

すぐ続きだします

 


「よろしくね?」


 急になんだこの人めちゃくちゃ綺麗だな、、、じゃなくて!


「えっと、、今のは妹の冗談なんで大丈夫ですよ!」

「お兄ちゃんがあたしのクレープ食べようとするの!!もう!!食いひん坊お兄はんはらたふへへくだふぁい!!」

「おい!!隙をみてまた食うな!!これ1人一個なんだぞ!」


 このクレープ高かっただけあってかなり美味い。生クリームの質といい生地の柔らかさといい今まで食べた中で一番だ。

 いくら天音が可愛くても今回は譲るわけにはいかない!


「よろしければ一つあげましょうか?」

「え?、、、なんでですか、、」

「そんな警戒しなくてもなにも入ってませんよ!ただちょっと私も聞きたいことがありましたのでそれと交換というのはどうです?」

「1人一個限定のこのクレープをあげてまで聞きたいことですか?」

「はい!さっき買ったばかりなのでまだ暖かいですよ?これは生クリームスペシャルです」

「なんでも聞いてください!!」


 一気に天音から女の子の方に向きを変える。


「お、お兄ちゃん!?そんな知らない人の危ないよ!!」

「900円のクレープ、、、しかもスペシャルの方だぞ!?大丈夫だって」

「な、生クリームの誘惑に負けてる、、、!!、、、そんなに食べたいならあたしのあげるから!もう帰ろうよ!」


 悪い天音…おれはクレープに買収されたんだ。


 桜楽というその女の子からクレープを渡されて拒むことは出来なかった。隣で「買収っていうか売春だよ!」とわけわからないことを言ってる妹はいったん置いといて


「それで聞きたいことっていうのは?」

「さっき店員に絡んでいた男性がいましたよね?どうして大学名から彼女がいることまでわかったんですか?」

「……みてたんですか?」

「偶然同じ店にいただけですよ」


 ただ笑うだけでも目が惹きつけられてしまう。それほどまでに魅力のある顔から目を背けながらおれは答えた。


「単純におれも同じ大学だったからですよ。それだけです。」

「あなた三光高校の一年生ですよね」

「へっ?」

「私あなたのこと学校で見たことありますよ。名前はさすがに知りませんけど」


 まじか、、!こんな綺麗な人が学校にいたなんて!

 おれはみたことないし先輩とかかな、、。


「同じ学校、、だったんですね。それなり大学生ってのは無理があったかあ」

「はい。ということで本当はどうしてわかったんですか?」


 わざわざ説明するようなことでも無いんだけど、クレープのために頑張るかな。


「あの人店員にデートしてくれたら服あげるみたいなこと言ってたじゃないですか。ああいう系の口説き方する人って相手に“お前は他とは違う。お前が一番”っていう特別感みたいなのを与えてうまく関係保ってると思うんですよね。」

「そうですね。それでどうしても色んな人と遊んでるようなイメージを持ってしまいます。」

「おれも最初そういう印象を受けましたよ。それでそういう人って相手を遊び相手としか見てないのに、いや下に見てるからこそなのかな、縁を切ることに抵抗持ってるものなんです。おれがこんな相手にフラれるなんてありえない!!って感じで。」

「偏見ですけどプライドは高そうです、、。」

「まあそういうわけでその相手に店員を誘ってることバラすっていえばどっか行ってくれるも思ったんですよ。」


 実際あんまり性格悪い人じゃなかったからちょっと申し訳なかったんだよな。最後お礼言われちゃったし

 パクパクとクレープを食べながら話を続ける。


「それで相手のいるコミュニティ、まあどこの会社、学校かを突き止める必要がありますよね。適当に彼女いるんだろなんて言っても信じないわけですし」

「そこが一番難しいんじゃないんですか?よく西洋大学とわかりましたね」

「普通ならむりだと思いますけど、、今回はラッキーでした。」


 なんか天音がめちゃくちゃツンツンしてくるんだけど

 我が妹ながら可愛い。もう帰るか


「あの、ラッキーで終わりですか、、、?」

「あ、いや帰るつもりなんてないですよ!!」

「え?」


 おっと墓穴を掘ったみたいだ。

 とりあえず続きに入って振り切ってしまおう。


「ま、まず高校生って感じではないので社会人か大学生に絞りました。そしたら“海鳴り”にめちゃくちゃ詳しいって言ってたんですよ。覚えてます?」

「あ、はい、、、遠いですけど海沿いのデートスポットとしてまあまあ良いとこですよね。」

「その遠さとまあまあな有名さってのがヒントでした。」

「え、、、それだけでですか?」

「めちゃくちゃ有名なら嘘ついてまで詳しいって言うのもわかるけどあそこはそんな有名じゃないし、遠くて頻繁にもいける場所じゃないです。ならあの人がその近くに住んでる可能性が高いですよね。」

「まあ、たしかにありえます」

「でもあそこなぜか社会人もたくさんいるし大学も4つもあるからとりあえずそのどちらかかはっきりさせたかったんですよね。そこで思い出したのが………」


 おれは未だに隣でツンツンし続けている妹を体に寄せた。


「妹が言ってたことです」

「ふぇ??」

「妹さんの、、、?」


 そうあれが大ヒントだったのである。




評価、、、ぶくまお願いします!

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