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第三話 落下

短いです。

日がとっぷりと沈んで夜になった。見たことのない星座たちが私の目を釘付けにした。そして2つの月。青い月と赤い月。いつもの見慣れたウサギの月は無かった。そして街灯なんてなくて闇が辺りを支配していた。


『本当に異世界なんだ…』


私の発した独り言は漆黒の闇と風の中へと消えていった。虎男…もといユグドの後に付いて歩き始めて何時間たつだろうか…。


『ど、どーなってんの??』


歩けども歩けども見える景色は草野生い茂る平野。一体どこまで歩くのか私には検討もつかない。


でもまぁ時間はたっぷりあったからユグドからこの世界の事は大体聞いた。



この世界の名前はアシルグリィていって魔法とかが存在する世界らしい。魔法の種類は沢山あるらしくて属性は火、水、雷、木、金、土、氷、………あとは忘れちゃった。で、私は何とかの巫女として何者かに召喚されたらしいんだけど…。詳しい事はよく分からない。でもなんかとてつもなく重要な役割だってことは分かった。

うぅ…重要な役割なんてしたことないよ…。小学生の時の図書委員長くらいだよ。



「おい巫女。着いたぜ」


ユグドが面倒臭そうに振り返った。ユグドの背後には小さな家が立っていた。小さいながらも豪華で綺麗な家だ。何故草原のど真ん中に家があるのかなんて気にしちゃいけない。



『ここ、ユグドん家!?』


「だったらなんだよ?」



ユグド私と見た目年変わらないのに生意気に家なんか持ちやがってこんちきしょう。私ん家なんて築30年のアパートだぞ。

『放火したい気分…』



「なんか言ったか?」



『イエ。ナンデモアリマセン』



危なかった。

ユグドの家に入ると豪華な内装をしていた。キラキラと輝くシャンデリア。あちこちに高そうな絵やらツボやらが置いてある金を基調とした壁紙は豪華さを引き立てていた。


『すご……』


私は完全にユグドハウスに圧倒されていた。もしこんな家買おうと思ったら大変な額になるだろう。



おっと関心してる場合じゃなかったわ。とりあえずジ・エンド・オブ・私を免れたものの危険なのは変わりない。なんとかこの情報を打破しなくては。まずはこの虎男の目を盗まなくては……



『ユグドー、私お腹すいたー』


「は?何言ってんのお前?」


『ユグドが私の弁当全部食べたから私何も食べてないの』


「あれはお前が勝手に…」



『お腹すいたすいたすいたすいたすいたぁー!!!!!!!』



「うるせぇ!分かったよ!なんか持ってくればいいんだろ!?」



ユグドはそう吐き捨てると部屋の奥に消えていった。



チャーンス!!今のうちに脱出を!


私はすかさず廊下の窓を手当たり次第に調べはじめた。すると突き当たりの窓を開けることができた!


私は窓を開け足をかけそのまま飛び降りた………が……



『嘘ぉぉぉおおお!!!!!』




想像していたよりも窓から地面までの距離が離れていた……というか…



『なんで崖があるのよぉぉぉお!!!?』



私の記憶が正しければこの家は平坦な草原にあったはず。いや、でも家の裏までは見てなかったから崖があっても不思議はないけど…。



『いゃああああ!!』



せっかくあの虎男から逃れたのに崖から落ちて死んでは意味がない。

こんなことなら大人しくユグドに従ってればよかった!!!



私は激しい後悔と共に気を失った。













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