円卓
「あぁ…」
少年は、自分の母親がどのようになったか
そして、どんな思いを察してしまった
声にならない叫びが少年は口から漏れる
目からは涙が溢れ落ち
手紙を抱きしめるように力が抜けていた
(第一ラインの初期段階は…クリアだよ
君が託したこの少年は強い子供だね。まだ、お眼鏡に叶うためにはあいつに気に入られる必要があるけど多分大丈夫さ
この子なら大丈夫)
契約があるから
そんなことでは言い表せないような優しい目をしていた
少年の母親に影響されたのか彼女の中にある母親の魂が影響を及ぼしたのか何故かは分からなかった
でも、ハクアは優しい目をしていた
そして殺伐としていた燃え尽きた村には優しい時間が広がることになったのだ
ーーーーーー
…時を少しさかのぼり
「へー新しい7柱候補かハクア様直々の連絡だから見込みはあるんだろう
ね。」
黒いフードを被った6人が8つの席がある円卓に座っている
つい先程自分の主からの緊急連絡で集まることにした
その内容はこの6人はからしたら重要以外の何者でもないからだ
新しい7柱
この存在は大きい
7柱はそれぞれが権力を持っておりそれぞれが互いに睨みを効かせることで不正や余計な権力の行使を妨げることを補っていた
しかし、現在は6人この体制は不完全なものであるのと同時にある恐怖があった
「なんだっけ?5年後だっけ?個人的には今から来てほしいんだけど…ハクア様怖いし」
ハクアは、この体制が6人になったとき不完全さを知っていた
だからハクアが圧力をかけることで不正を防いだ
その圧力のかけ方が恐怖の対象になっていたのだが
ハクア本人はそんなことは知る由もない
「さて、そんなことはいい!問題点は本当にそいつが7柱にふさわしいかって事だ」
一番豪華な椅子つまりハクアの右側の椅子に座る人物が皆を制すように口にした
「そうだね…5年か⋯人間から悪魔になる方法、それはハクア様がいるから大丈夫だろうけどなぁ」
「問題なのは5年のうちの成長度…7柱の器になるかどうかそれだけが問題なんだよね」
「さて、それで誰かが様子を見ることが必要なんだよね…これさ…私が行ってもいい?」
「はぁ!?なんで、あんたが行くんだよ。この国のNO,2が行くのはおかしいだろうか」
ハクア席の右の席
それが意味するのはこの国においてNO,2であることを意味する
そして、この意見は的を得ている
他の人物でもいい上にハクア不在の中
もし人間の進行などがあったときNO,2もいないとなると他の魔王にも示しがつかなくなる
それを知っての上で行くと言うのだ
それは異常という他ない
しかし…
「まぁ、落ち着け。私も考えなしで言ってるわけではない。
歴代7柱でハクア様からの推薦があった人物は過去に2人。そして今回ハクア様は7柱へ推薦をしたと思っても良いだろう。それならば、同じ推薦組らしく私が行くのが正当ではないかな?」
「くっ…勝手にしやがれ。」
ハクアの席の右の席の人物の言葉には他の5人に対する圧倒的な威圧感があった
そして、何よりも推薦
この言葉が歴代に適用される人物は少ない
そしてそれがどういう事が5人はよく知っていた
だから口を出すことができない
そして…NO,2はハクアが初めて推薦した人物
今の7柱での推薦組として推薦がどのようなものか知っていた
だからこそ、彼女しかいないと彼女の言葉に5人は納得してしまった
「反論は…ないな?」
無言で5人は首を立てに振る
そして、終わりの言葉を…
(集まってるかい?君たち?集まってるなら今すぐに来い新しい7柱気になるだろ?)
する前にハクアから号令がかかる
その言葉に反応してか
皆席を立ち
NO,2が口を開く
「ということだ。門を開ける…さぁ行くぞ」
術式に手をかけながら言葉を発する
その言葉には小さい声でこう続けられていた
「やっと…このときが来たのですねハクア様…」