対峙
「君は面白い奴だね!」
ただ、その言葉に少年はさらに恐怖することになるのだった
少女は微笑んでおり、その見た目だけなら愛らしいものなのだが、明らかに雰囲気が一変したのだ
元からあった威圧感と恐怖
それが倍増したといってもいい
それどころか、辺りの炎が一斉に鎮火されたのだ
ただの威圧によって
それだけで少年は理解した
いや、そうというよりは本能的に理解したのだろう
圧倒的な実力差と今自分が刀を突きだしているという状態の不味さを
だからこそ、少年は一周回って冷静になった
それを知ってか少女は微笑みながら、刀など目にもくれずゆっくり歩いて少年の刀を持つ手を掴んだ
そして、ゆっくりと口を開く
「君は理解しているようだね!
面白い!凄くいいよ!君は!
こんな状況でさえ、私を倒すことを考えてるなんて!」
少年は冷静だっただからこそ刀を少女の首に当てていた
でも、そこまでいっても手が動かない
(ちっ、軽そうに手を掴んでいるが全く動く気配がない…)
少年は頭の中で勝てるビジョンを考える
今まで少年は格上を当たったときに作戦があればなにか一つでも勝てる道筋があるのではないかという考えを持っていた
しかし、一つも思い浮かばない
その事を理解してか少女はさらに笑顔になる
「君は今何回脳の中で私に殺されたのかな?
当ててあげよう!52回だよね!」
少女は楽しそうにそんな事を言う
少年はそしてまた理解した今のままでは勝てないことに
少女が圧倒的に強者であることに
今生死が簡単に少女に握られていることに
さらに…もう一つ理解し疑問に思った…
「貴女は悪魔なんですかね…」
理解したから、彼女を倒すのを諦めると同時に呟いた
「正解さ!名をハクア!君たち人間からしたら三大魔王とかいうやつの一人さ!」
「はは、通りで強いわけだ…」
「いいや、君も面白いさ!普通下位の悪魔でも逃げ出すような威圧を精神力だけで押さえ込んだんだからね!それにしても…この村相当気に入っていたんだね…」
「はい…」
この返事を線引きに、少女は手を離し刀を仕舞い沈黙が流れる
ここに到着する前にあった火が燃え盛る音は消え
辺りには風に吹かれた木の葉が擦れる音といろいろな物が燃えた匂いだけがそこにはあった
少しの沈黙のあと少年は口を開く
最後に疑問に思ったことを
「ハクアさん…貴方…どうしてここにいたんですか?この惨劇の張本人ではないのに」
ゆっくり…そして、自分の考えを確証するため
至らないところやなかなか、投稿できないと思いますが応援していただければ光栄です!