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あたしたちが「おでん」です。  作者: 千葉あんず
10/30

第10話、秋ちゃん鬼の撹乱


「ああ……頭の中がヘンテコリンになっちゃったみたいなアレみたいな……」


 ボクは風邪をひいて寝込んでしまい、氷のうも水枕をも沸かすくらいの激しい発熱に苦しんでいたりする。


 ――ああ……首から上と首から下が別人になっちゃったみたいに言うこと利かない状態になっちゃったみたいなアレみたいな……


「母さん、母さん……地球が回ってるんだかボクが回ってるんだか、全然、全く、少しも、ちっともワカンナイよぉ……」


 ――あ、そういえば、ウチは母と子がシコタマ仲良しだって色んな人たちから言われるんだけど……


「こら! 秋ちゃん! ちゃんと寝てなさい!」


 ――それはウチが母子家庭だからかもしれない……


 寝室に敷いている布団に寝ていたボクだったが、目が覚めてしまい、フラフラと与太与太と居間に顔を出していたりする。


 ――だってさ、ボクの家族は母さんしか居ないし、母さんの家族はボクしか居ないし……


「さんざん寝過ぎちゃってさ、もう眠れないよ、母さん」


 ――ボクが赤ちゃんみたいに幼い頃から母子家庭だし……


「秋ちゃん、眠れなくてもいいから、あなたは布団にくるまって寝転んでいるだけでいいのよ」


 ――ボクには兄弟姉妹居ないし……


「うわぁ……母さんもグルグル回ってるし……地球が回ってるんだか母さんが回ってるんだか……やっぱりワカンナイし」


 ――もちろん、母子家庭なんだから父親なんて有り得ない……


「だから、熱があるからよ。秋ちゃん、ほら、ちゃんと寝てなさい。寝転んで休養しないと、秋ちゃん、いつまでたっても風邪ひきのままよ」


 ――ずっと二人三脚で生きてきた母さんとボク……


 躾は厳しいけれど、人間味が溢れていて優しいボクの母さん、ボクを抱きしめて居間の隣にある寝室へ導いてくれていた。


 ――お互いにお互いの存在が誰よりも大切だから……母さんとボクの絆は誰にも負けない自信満々だから……


「あ、そうだ。母さん? もう仕事に行かないと遅刻しちゃうよ」


 母さんはボクを布団に寝かしつけつつ、

「心配ないのよ。秋ちゃんの看病したいから……母さん、秋ちゃんのために仕事なんて休みにしたわよ」

と、ボクを優しい笑顔で見つめながら言った。


 そんな母さんに向かってボクは、

「母さん……ごめんなさい……」

なんて、思わず言葉弱く発してしまう。


「あら、秋ちゃん? どうして謝るの?」


「母さんの仕事を休みにしちゃったから……ボクが母さんの仕事を台無しにしちゃったから」


「もう、お馬鹿さんね。母さんには仕事なんかより秋ちゃんの方が大切なのよ」


 ボクは嬉しさのあまり、

「母さん、ありがとう……ボク、母さんの子で良かったよ」

と、甘える赤ん坊のように母さんに抱きついてしまう。


 そんなボクを母さんはニコニコしながら抱きしめ返してくれて、

「まあ、秋ちゃんったら……母さんも秋ちゃんの母親で良かったわ」

と、ボクの耳元で囁いてくれた。


「ボクの尊敬する大切な母さん……ボクね、母さんが大好きだよ」


「もう、秋ちゃんったら……母さん嬉しいわ」


 ボクの言葉を聴くや否や、母さんはボクを『ぎゅ』っと抱きしめてくれた。


「大好きなんだけど……」


「秋ちゃん? 『大好きなんだけど』って? その後の言葉も、秋ちゃん? ちゃんと母さんに話してくれなきゃ嫌よ」


 ――あ! 母さんの顔が目の前に! ボクの母さん、何て綺麗なんだろう……


 母さんがボクみたいに若かった時の写真を、ボクは以前にコッソリと見て、その美少女っぷりにボクはドキドキしたなんてのは内緒ばなし。


 ――ああ、母さんは綺麗で美人で、そんなに近づいたら、ボク……ドキドキしちゃうし……


「秋ちゃん? 言葉の続きは?」


 母さんは心配そうな顔をボクの間近に見せている。


「うん、あのね……」


 ――ボクが頼りにできる人……それはボクの母さんだけ……


「母さん、助けて……グルグル回って苦しいし……」


 ――ボクは母さんに甘えたくて仕方ない赤ん坊みたいに……


 ボクは布団から上半身だけ起こすと、すれ違い生活ばかりで滅多に会えない母さんの頬にボクの頬を寄せて抱きついてしまう。


 そんなボクの言葉と仕草に安堵したかのように、

「だから、母さんは今日一日、ずっと秋ちゃんのそばに居るから……お願いだから、秋ちゃんは安心して寝ていてちょうだい」

と、母さんも布団へ一緒に横になりながらボクを寝かしつけてくれていた。


「ボク……独りぼっちで寝なきゃなの? 母さん、どこかに行っちゃう?」


「秋ちゃんったら、小さい頃からホントに寂しがり屋さんなんだから……母さんね、お仕事お休みにしたって言ったでしょ。今日は秋ちゃんの側に居るから安心していいのよ」


「うん、母さんを信じるよ。だってさ、絶対に母さんはボクを裏切らないもん」


「もう、秋ちゃんったら……うふふ、目の中に入れても痛くない可愛らしい子」


 ――ボクは幸せを噛み締めてる……だってさ、いつも、いっつも独りぼっちなのに、今日は独りぼっちじゃないから……


 こんなに幸せなのが怖いくらいに今日は幸せなボク。



 ――あ、そうそう……さっきチョコっと言ったけど、ボクには父親が居なかったりして……


 ボクが幼児の頃に離婚と呼ばれるものをしてくれちゃった両親であるがため、残念ながらボクは父親が誰だか覚えていない。


 ――ウチは母と子供二人っ切りの母子家庭……んで、母子家庭で慎ましやかな貧乏暮らし……


 実は、たったのそれだけが原因となりイジメの対象になる現代日本だったりする。


 ――事実、ボクは物心の分別がつき始めた小学生の頃からイジメられっ子だったし……


「母子家庭の何が悪いのか、貧乏暮らしの何が悪いのか……」


 ――現代日本の大人達も子供達も、自分より弱く見える境遇の人間をイジメの対象にしなきゃ生きられない位、そんな世知辛い現代日本に生きていて大変だなぁーなんて……


 ボクはイジメをする大人達も子供達も可哀想な人間にしか思えない。


 ――っていうか、21世紀日本、夫婦共働きでヤットコさ世間並の家庭を築けるという、何ともヘボイ先進国になっちゃったよね……


 高度経済成長期の日本は、もはや、遠い果てに見える蜃気楼。


 ――ああ……ボクは早く大人になりたい。早く働ける年齢になりたいし……だってさ、母と子の共働きなら、きっとウチも世間並の家庭生活を営めるだろうから……


「秋ちゃん? またオマセで難しいことを考えているんじゃないの?」


「え? 母さん、どうして分かるの?」


「だって、秋ちゃんの顔に書いてあるもの」


 ――やっぱりボクの母さんは凄いや! ボクのこと何でもお見通しの母さんは凄いや!


 そう、だからボク、母さんを尊敬して止まなかったりする。


「あのね、秋ちゃん?」


「え? 母さん?」


「洗濯物を干してきてもいいかしら?」


「うん、早く帰ってきてね……ボク、ちゃんと待ってるし」


「ちゃんと大人しく寝てなきゃ嫌よ」


「うん、ちゃんと寝て母さんを待ってるし」


「まあ、待っていてくれるなんて愛らしい子ね。急いで外に洗濯物を干してきちゃうわね、秋ちゃんが寂しがらないように」


「う……ん……」


 ボクは急に半分眠っているみたいな感覚に陥り始めていた。


「あら? 秋ちゃん?」


「う…………ん…………」


「ああ、良かった。秋ちゃん、安心して寝入ってくれたのね?」


「ん…………」


「秋ちゃんが不安がって目を覚まさないうちに洗濯物を干してこなきゃいけないわね」


「ん…………」


「ごめんね、秋ちゃん。赤ちゃんの頃から独りぼっちばかりにしていたから……独りぼっちの恐怖がトラウマになってるんだもんね。ごめんね、秋ちゃん……」


 その言葉を残し、母さんは借家の狭い庭へ洗濯物を干しに行ってしまったらしい。


 ――ご機嫌に洗濯物を干している母さんの鼻唄が子守唄に聴こえて……ボク、すっごく気持ちイイ……


 一ヶ月に数回しか休まない母さん。週休二日なんて有り得ない位に働きまくりな母さん。


 ――そんな母さんより先にボクが倒れていることが心底のこと情けないし……


「ただいま、秋ちゃん……」


「う……ん……」


 母さんは洗濯物を干し終わると急いで寝室に戻ってきてくれて、ボクが眠っている布団の小脇に添い寝をするように寝転んでいてくれている様子だった。


「うふふ……秋ちゃんの寝顔は幾つになっても可愛いわ」


 ――気持ちイイ……母さんの手の温もりが大好き……


 母さんは優しくボクの髪を撫でてくれている。


 ――ボク、半分眠ってるんだけど、何となく半分起きてるみたいで……


 いつだったか、半覚醒なんていう、そんな言葉を聞いたことがあるボク。


 今のボクは、まさに、その半覚醒の状態にある感じだった。


 ――母さんの声が聴こえる。母さんが撫でてくれている。母さんの香りが気持ちイイ……



『トントン、トントン』


 ――何となくウチの玄関の扉をノックする音が聞こえたような気がする……


 そうボクが思うや否や、

「あら、誰かしら?」

という母さんの静かな声が聞こえた。


 ――ああ、やっぱりウチの玄関扉がノックされたんだ……


 ボクに添い寝してくれていた母さん、寝室から居間を抜け、足音もたてず足早に玄関へと行ってしまった。


 ――っていうか、ウチの玄関には呼び鈴があるのに? 何で呼び鈴をピンポンしないでノックしちゃってるんだろう?


「あら、あなた、学校は? どうしたの?」


「秋ちゃんのお母様、あの……秋ちゃんが来ないから……あたし、あの……」


 ――え? おるこちゃんの声?


「学校をサボっちゃダメよ。薫子ちゃん、学校に戻りなさい」


 ――ありゃ、やっぱりおるこちゃんなんだ……


「でも、でも……あたし、あたし……」


 ――うーわ、おるこちゃん、今にも泣き出しそうな声だし……


「そんな悲壮な顔をしなくても大丈夫よ。秋ちゃんは風邪をひいただけだから」


「でも、あたし……お母様、あたし、秋ちゃんに会いたくて、たまらなくて……いてもたってもいられなくなっちゃって……秋ちゃんに会いたくて、どうしても我慢できなくなっちゃって……」


 ――ありゃま、おるこちゃん必死だし……


「あたし、心配で心配で、いてもたってもいられなくなっちゃったから……秋ちゃんが心配で心配で……一目だけでも秋ちゃんの顔を見たくて……」


 ――うわぁ……おるこちゃん、箇条書き喋りみたいにアタフタしまくりだし……


「もう、仕方ないわねぇー。あなたには負けたわ。薫子ちゃん、お上がんなさいな」


「あ、お母様……あたし、秋ちゃんにお花を……秋ちゃん、お花が好きだから、あたし、秋ちゃんの笑顔見たくて……秋ちゃんが好きなバラのお花……」


「まあ、綺麗な薔薇の花束。わざわざ買ってきてくれたの?」


「はい、お花屋さんで、あたし……ビロードみたいで綺麗なバラだったから……秋ちゃんの好きな真っ赤だったから、あたし……」


「素敵よ、薫子ちゃん。こんなにきらびやかな深紅の薔薇だなんて、きっと秋ちゃんは大喜びよ。さあ、お上がんなさいな」


「お母様、あたし……良かった……」


「薫子ちゃんったら、そんなに泣きそうな顔をしないのよ。でも、そんなに秋ちゃんのことを想ってくれるだなんて、秋ちゃんは果報者ね」


 ――あ……二人の足音が近づいてきたみたいな……


「秋ちゃん、スヤスヤ眠ってる……」


 ――ああ、おるこちゃんから薫る香りが心地好い……


「そうなのよ。やっと大人しく寝てくれたところなのよ」


 ――ボク、おるこちゃんの体から薫る芳香が大好き……


「秋ちゃんの寝顔……うふふ、可愛い……」


「そうなのよ。幾つになっても女の子みたいな寝顔で嫌になっちゃう」


 ――ああ、もう、母さん!! 女の子みたいな寝顔って言うな!!


「あら? あらららら? 秋ちゃんの寝顔……怒った顔になっちゃったみたいな?」


 ――だってさ、ボク、半覚醒状態でさ、二人の会話が聴こえてるんだもん……


「秋ちゃん? 寝てるの? 起きてるの? 起きてるなら、寝なきゃ風邪治んないから寝なきゃだわ。ぐっすり寝てるなら、あたしに『ちゃんと寝てるから大丈夫』って返事してくんなきゃだし」


 ――うげ!! おるこちゃん、相変わらず意味ワカンナイし!!


「薫子ちゃん? コーヒーがいいかしら? 紅茶がいいかしら?」


「あたし飲むんだったら、秋ちゃんのエキスがイイかもしれないみたいな……」


 ――うーわぁ!! おるこちゃん!! 母さんの前で、何てことを言っってくれちゃってるのさ!?


「あら、薫子ちゃんも紅茶好きなのね。秋ちゃんと同じだわね」


 ――って、母さん、母さん……どうして? 何で、そういう結論になるんだかサッパリ解せないし!!


「秋ちゃんの紅茶美味しいんですよ。秋ちゃんが淹れる真っ赤な紅茶、あたし、とっても大好きなんです」


 ――おるこちゃん、おるこちゃん、強引に話を合わせなくてイイよ。ウチの母さん天然ボケだからさ……


「お母様、あたし、いつもビックリさせられちゃってばっかりなんですけど……秋ちゃん、色々上手なんですよね」


「そうなのよ。秋ちゃんは料理も上手、お茶も上手、色々上手。母親のあたしもビックリばかりなのよ」


「秋ちゃんは何でも上手にこなしちゃって……あたし、秋ちゃんって凄いって思います」


「そうよね、本当に凄いわよね。母親のあたしも感心しちゃうもの」


 ――ああ、背中がムズ痒くなるから、そんな会話はヤメてほしいよ……


「あ、そうそう……ねぇ、薫子ちゃん?」


「え? お母様、何ですか?」


「もう秋ちゃんを食べちゃった?」


「お母様? 食べちゃったって?」


「秋ちゃん、上手だった?」


「え? 上手だったって?」


「あら? もしかして、まだなの?」


「お母様? まだなのって?」


「ああ、もう!! 母さん、ボクは未だ童貞だよ!! おるこちゃんはバージンのまんまだし……」


「いやん……お母様、そういう質問だったんですね……」


「っていうか、母さん!! ボクに何を言わせるんだよ!!」


「あら、秋ちゃん、おはよ」


「ああ、もう……母さん、おはよじゃないって……」


「秋ちゃんったら、母さんの言うことを利いて、大人しくちゃんと寝てなさいってば」


「ああ……ウチの母さんは、ホントに、もう……」


 ――ボクは寝室にしている四畳半の部屋に敷かれた布団から起き上がり……


 おるこちゃんと母さんが意味不明な会話をしている居間へと襖を開けて移動しながら、

「母さん? ホントにボクを大人しく寝かせる気があるの?」

と、思わずボクは言ってしまった。


「秋ちゃん……あたし、お花……秋ちゃんに、あたし!!」


 ――っていうか、うわ!! おるこちゃんから急に抱きつかれちゃったし!!


「秋ちゃんは真っ赤なお花大好きだから、あたし……秋ちゃんのために花束!!」


「おるこちゃん、ボクに抱きついちゃダメだよ。風邪がうつっちゃうからさ……」


「秋ちゃんったら、男冥利につきるわね」


「はい? 母さん?」


「薫子ちゃんの女っぷりも天晴れだわ」


「いやん、お母様ったら……」


「っていうか……母さん、ボク、全然意味ワカンナイし」


「あら、だって、学校を抜け出してサボってまで、真紅の薔薇の花束を持ってお見舞いに来てくれるなんて、薫子ちゃんったら情熱的じゃないのよ。そこまでさせてしまう秋ちゃんは……うふふ」


 母さんはニコニコしながら言っている。


「若いうちは失敗しても取り返しがつくものなのよ」


「へ? 母さん?」


「人の道に外れていないなら、どんどん経験しなきゃ若さが泣くわよ」


「母さん? あの、えっと……え?」


 ――ボクの母さん、相変わらずニコニコしながら難しいことを言ってくれちゃってるんだけど……


 残念ながら、まだまだ子供の階段を右往左往している程度のボクには、大人の階段を上り切った母さんの言いたい真意が皆目のこと見当もつかなかった。



「秋ちゃん? 摘みたての新鮮なバラ、酢の物にして食べる?」


「おるこちゃん、それは菊だし」


「じゃぁ、秋ちゃん? あたしを食べる?」


 ――ああーもう!! 母さんの前で、おるこちゃん、何てことブっこいちゃってるかな!!


「あら、やだ。秋ちゃんが薫子ちゃんを食べちゃうところ、母さん見ててもいいかしら?」


 ――ああーもう!! 母さんは母さんで重ねボケかましだし!!


「食べないし!! 頭クラクラするから寝てたいし……っていうか、見せないし!!」


「秋ちゃんってば、いつも丁寧で鋭い突っ込みだわ」


 ――おるこちゃん、感心してる場合じゃないって……普通の親なら説教喰らっちゃってるトコなんだし……


「っていうかさ、おるこちゃんのボケは突っ込み易過ぎなんだってばさ」


 ――うーわ……もしかして、二人とも負けずと劣らない天然ボケ? おるこちゃんと母さん、もしかして類友?


「さあ、盛り上がったところで、秋ちゃん? 母さんの言うこと利いて、ちゃんとお布団に寝なさい」


「盛り上がったって……母さん、ちょっと違うと思うんだけど、ボクは……」


 ――難しい話されたり、ボケ満載な話されたり……脳ミソ大幅割引き中のボクには、もう、これ以上は対応ムリみたいな……


「うん……母さん、分かったよ。ちゃんと布団に寝転がるよ」


「まあ、秋ちゃんはイイ子ね」


 ――もう、お願いだから、静かにスヤスヤと安眠させて欲しいよ……なんて、思わず言いまくりたくなる位に……


 相変わらずボクは、地球が回ってるんだか、ボクが回ってるんだか、全然、さっぱりワカラナイ体調のままなのだった。


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