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第一話
その場所を一言で説明するならば、とにかく、暗い。
地下深くに作られたこの場所は、元々は捕らえられた囚人のために作られたもので、こんな殺風景な暗黒の空間に黙って三日も居れば気が狂いそうになるだろう。
そのセンスの良い壁一面に記された怪しげな図形の羅列は暗闇で怪しげな光を放つ。
「魔法陣の、準備は整った」
漆黒の暗闇で響くのは、少年と青年の中間のようでありながら透き通った声。その声の持ち主は年不相応に目付きが鋭く、肩まである黒髪とは対照的に、肌が儚げに白い。
「こんな腐った世界なら、俺がぶっ壊してやる……」
忌まわしそうに言うと、彼は地面と水平に手をかざして、呟いた。
「Re:Create…………=“disaster”」