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第30話:ラストメール

 ある晴れた日曜日。

 とあるイベントスペースで父の個展が行われた。


 学生で比較的時間の取れる梨佳は、母の代わりに受付をしていた。

 暇な日は、なっちゃんと春ちゃんが手伝ってくれるから助かっている。

 初日には、なっちゃんと春ちゃんがカップルで来てくれた。


 そして元ちゃんのお母さんも来てくれた。そして手紙にあった分身が届けられた。


 「初めまして、会えて嬉しいわ。これをあなたに渡せる日が来て本当に嬉しい」


 そう言った元ちゃんのお母さんの目は、涙で濡れていた。

 ここにも自分を心配してくれている人がいる。

 自分はなんて幸せなのだろう。


 「はい。これが元気から梨佳さんへのクリスマスプレゼントよ」


 渡されたのは、意外に大きな包み。

 大人の自分達でさえ腕いっぱいに抱えなければならない。

 何だろ??

 梨佳は包みを開く。そこから現れたのは、テディベア。


 「おっ、大きい」

 

 でも何でクマ?

 梨佳は、考える。そしてあることを思い出した。

 それは、2人で散歩していた時のこと。


 「じゃあ、親父さんから貰ったぬいぐるみ無くしたの?」

 「うん。山でね。でもあったらあったで寂しいし」

 「そっか」


 覚えててくれたんだ。


 「ありがとうございます」


 それからクマは、私と一緒に受付をしている。

 その個展も明日で終わり。意外に盛況で写真集も用意していた分が完売して、予約注文がたくさん。

 すごいね、お父さん。


 「さて、閉めるか」


 梨佳は、入口に置いた看板やらを片付け始める。


 「すいません!」

 「はい?」

 「もう終わりですか?」


 走って来たのだろう。その人は、息が上がっている。


 「どうぞ」


 梨佳は、その青年を中に入れる。

 青年は、嬉しそうな顔をして写真を見て回っている。

 しばらくして見終わったのか青年が近づいてくる。


 「ありがとうございました。あの写真集があるって聞いたんですけど」

 「ごめんなさい、売り切れなんです。注文は、受付ていますが」

 「注文させてください」


 青年は、注文表にすらすらと書き込んでいる。 作田 裕。


 「あの、スタッフにご家族の方がいるって聞いたんですけど」

 「はい。私がそうですけど」

 「君が? じゃあ、あの時の娘さん!」

 「?」


 梨佳には、青年の言っていることがよく理解出来なかった。


 (もしかして、昔会ったことあるのかな?)


 「俺、君のお父さんが亡くなった山のロッジの管理人の息子で、君に渡したいものがあったんだ」


 そうして手渡された袋に入っていたのは、クマのぬいぐるみ。


 「こ、これ」

 「うん、君があの時忘れていったんだ。ロッジで預かっていて、お客さんから個展の話を聞いて」


 梨佳は、クマを抱きしめ呟いた。


 「おかえりなさい」



 To.元ちゃん

 Subバイバイ

 本文

 元ちゃん、個展が無事に終わりました。

 実は、写真集を父の知り合いの出版社から出すことになりました。

 今、私は自分の作品展の準備で死にそうです(泣)

 でも、頑張ってるよ。だって分身が2匹に増えたから、気合いも倍。


 このメールも今回が最後です。

 まだ時々、胸が痛くなるけれど大丈夫。

 いつか痛みも消えて暖かさに変わっていくから。

 だから、とりあえずサヨナラ。

 いつか、私もそっちに行くことになったらたくさん話すことがあるから覚悟してよね?

 じゃあ、バイバイ



 梨佳は、最後のメールを書き上げ、送信ボタンを押す。

 これからの未来を夢見ながら。


最後です。果たしてこれは恋愛物なのかと言われたら反論できません。

梨佳の恋愛を通しての成長なので一応恋愛物ということで。

感想などいただけると嬉しいです。


<追記>

少しだけ本文をいじりました。といっても文章の間に一行空けてみたりというのと、どうしても見苦しく感じる言葉の繋ぎだけいじりました。

基本的に、内容や会話、地の文はいじってません。

正直、1年以上前に書いた初期の作品なので、削除して全部書き直したくなってしまうのですが、それは耐えることにしました。

恥をさらすのも成長を促せるものとします。

              2009.05.30   

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