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第29話:手紙

 手紙の封を開けると飾り気のないシンプルな便せんに書かれた手紙が一枚入っていた。


 梨佳へ

 約束通り手紙を書きます。もし梨佳がこれを読んでいるとしたら、俺はもういないということで本当に申し訳ない。

 でも俺だって死ぬ気はなかったんだからな。

 こればかりは天が決めたことなので納得するしかないか。

 俺自身は、自分の人生にくいはない。あるとしたら梨佳にまた同じ痛みを与えてしまうことだ。

 時間をかけてもいいから、俺の死を受け入れてくれるとホッとします。

 ただ忘れないで欲しい。君の周りには君を大事に思っている人達がいること、君のいる世界には暖かいものが満ち溢れていることを。

 そしてこれからの人生を強く生きて欲しい。

 その為に俺の分身を残していくことにします。きって家に届いていると思うので受けとってくれ。

 最後に短い間だったけど梨佳と過ごせて幸せでした。ありがとう。

                               元気


 ポタポタと梨佳の瞳からは涙が溢れた。


 「………あたしこそ、ありがとう。幸せだったよ……」


 梨佳は手紙を抱きしめて泣いた。

 大丈夫、あたしは生きていける。こんなに大事に思ってくれる人がいるんだから。

 元ちゃんの代わりにもっとたくさんの人に出会って生きてくから。

 

 「梨佳!!」

 「えっ?」


 顔を上げて振り返るとなっちゃんと春ちゃんが走ってくるのが見える。


 (勇気君も?)


 「どうしたの? みんな…………」

 「どうしたの? じゃないでしょ! 馬鹿梨佳!!」 

 「そうよ、梨佳ちゃん。心配したのよ」


 2人の必死な様子と優しさに梨佳の胸は熱くなった。


 「………心配かけてごめん。本当は話さなきゃって思ってた。でも、言えなかった、自分で答え出すまで」


 そんな梨佳を見て夏樹は、梨佳を抱きしめる。


 「本当馬鹿なんだから。こういう時は、あたし達に話せば、一緒に泣くし、一緒にいるよ。友達なんだから」

 「そうよ、それが友達でしょ? あーあ、そんな顔して」


 春は梨佳の涙を拭い、夏樹ごと抱きしめた。


 「ありがとう、ありがとう」


 元ちゃんの言うとおり、あたしは1人じゃない。

 頑張れるよ。見ててね、元ちゃん?

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